腹式呼吸が自律神経機能に与える影響--臥位安静時の自律神経機能との関連
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書誌情報
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- 資料種別
- 記事
- 著者・編者
- 坂木 佳壽美
- 著者標目
- タイトル(掲載誌)
- 体力科学 = The Japanese journal of physical fitness and sports medicine
- 巻号年月日等(掲載誌)
- 50(1) 2001.2
- 掲載巻
- 50
- 掲載号
- 1
- 掲載ページ
- 105~118
- 掲載年月日(W3CDTF)
- 2001-02
- ISSN(掲載誌)
- 0039-906X
- ISSN-L(掲載誌)
- 0039-906X
- 出版事項(掲載誌)
- 東京 : 日本体力医学会
- 出版地(国名コード)
- JP
- 本文の言語コード
- jpn
- NDLC
- 対象利用者
- 一般
- 所蔵機関
- 国立国会図書館
- 請求記号
- Z7-301
- 連携機関・データベース
- 国立国会図書館 : 国立国会図書館雑誌記事索引
- 書誌ID(NDLBibID)
- 5671059
- 整理区分コード
- 632
- 要約等
- We analyzed time-domain parameters (%RR50, CVRR, E/I ratio) and frequency-domain parameters (HF, LF, LF/HF, HF/SUM) from R-R interval variability to investigate the differences in autonomic nervous system activity and the effects of abdominal breathing in 20 healthy female subjects (age 48.4±5. 5 years) . The measurements were taken during spontaneous breathing in a supine position for 20 min and in a sitting position for 20 min, followed by voluntary control of abdominal breathing (expiration to inspiration time ratio was 2 to 1) for 20 min and recovery with spontaneous breathing in a sitting position for 30 min, 100 R-R intervals 16 times for 90 min and also heart rate (HR), blood pressure (BP), respiratory frequency (f) and arterial O<SUB>2</SUB> and CO<SUB>2</SUB> partial pressure through cutaneous (P<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>, P<SUB>tc</SUB>CO<SUB>2</SUB>) . The subjects were grouped according to the mean values of three autonomic nervous system activity parameters (%RR50, CV<SUB>RR</SUB>, E/I ratio) in a supine position. Group 1 (G 1) was below average for all three parameters, group 3 (G 3) was above average and group 2 (G 2) was below or above average mixed for the three parameters. A strong correlation (P< 0.01, respectively) was observed between %RR50 and HF (0.15-0.4 Hz) during the following trials spontaneous breathing in a supine position (r=0.783) and sitting position (r=0.758), voluntary control of abdominal breathing (r=0.597), and recovery with spontaneous breathing in a sitting position (r=0.756) . With regard to the characteristics of each group, the following were observed: G1 showed an accelerated trend of sympathetic nervous system activity and the approximate mean value was indicated in measurements of respiratory-circulatory system activity (HR, f, BP) . G2 showed an unstable trend in which either sympathetic or parasymathetic nervous system activities were accelerated, blood pressure was higher and many respiratory frequencies were observed among the three groups. G 3 showed an accelerated trend in parasympathetic nervous system activity ; and both blood pressure and respiratory frequency were consistently low in the three groups. These results indicated that there were natural differences in each subject in autonomic nervous system activity and physiological function in a supine position at rest. It was found that voluntary control of abdominal breathing enhanced the vagal modulation of the heart rate in subjects who showed an accelerated trend of sympathetic nervous system activity.腹式呼吸は健康法として, またストレスを緩和させる方法としてその有効性が実証されつつあるが, ヒトには個体差がありストレスに対する反応の現われ方は様々である.<BR>そこで, 心拍変動 (RR間隔変動) から求める自律神経機能評価三指標1) %RR50, 2) CV<SUB>RR</SUB>, 3) E/I<SUB>ratio</SUB>の臥位における平均値を基準値と定義して, 三指標全てが平均値以下のG1 (交感神経活動亢進傾向群) , 平均値以上のG3 (副交感神経活動亢進傾向群) , 三指標の内いずれかが平均値以下, または平均値以上のG2 (中間群) の3群に分別し, 各群の自律神経機能と呼吸循環機能の特徴と腹式呼吸の有効性の違いを検討した.<BR>本研究の対象は女性20名 (48.4±5.5歳) で, 安静臥位 (20分) , 安静坐位 (20分) , 腹式呼吸 (20分: 呼気と吸気の時間の比が2: 1になるように指示した) , 回復 (30分) の計90分間のRR間隔変動 (100個/回) を経時的に測定し (計16回) 、前述の三指標の他にスペクトル解析による四指標 (HF, LF, LF/HF, HF/SUM) とHRを算出, それに対応して血圧値, f, P<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>とP<SUB>tc</SUB>CO<SUB>2</SUB>を測定し, 以下のような結果を得た.<BR>1.安静時臥位において, 自律神経機能評価三指標 (%RR50, CV<SUB>RR</SUB>, E/I<SUB>ratio</SUB>) とHF (高周波成分) はそれぞれ高い正相関 (各P<0.01) を示し, 安静臥位では副交感神経活動が亢進状態にあった事が確認された.<BR>2.群別した3群の特徴と腹式呼吸の影響を以下に示した.<BR>1) G1は群内の個体差が大きく, 特に坐位より臥位において交感神経が緊張傾向を示した.しかし回復では坐位より副交感神経機能優位を示し, その状態が回復30分後まで持続した腹式呼吸の持続効果がみられた.呼吸循環機能は平均値と近似していた.<BR>2) G2は全測定を通してfと血圧は3群中で高値を示した.そして臥位のP<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>値は平均値より低値, P<SUB>tc</SUB>CO<SUB>2</SUB>は高値, HRとfの高値傾向から, 呼吸が浅く速いことが判明した.しかし回復ではHRとfは坐位より低下し, 副交感神経機能は優位になり腹式呼吸の影響が大きく示された.<BR>3) G3は, 臥位において副交感神経が緊張傾向にあり, fと血圧は常時平均値より低く, 血圧とHRとの間に極めて強い関連性がみられた.回復では腹式呼吸後20分以降に副交感神経活動が亢進状態になっている事が認められた.そして他の2群と異なる点は, 回復時のP<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>が腹式呼吸より高く, P<SUB>tc</SUB>COvは逆に低値を示し, より深いG3の腹式呼吸の影響が血液ガスに現われていた.<BR>以上の測定結果から, 安静臥位における自律神経機能三指標の平均値を基準に分別した3群は, それぞれの自律神経機能ならびに呼吸循環機能の基礎レベル, またその両者の関連性にも特徴がみられ, 体位変換や腹式呼吸による反応も各群で異なり, 安静臥位における自律神経の緊張の違いが刺激応答にも反映している事が明示された.しかし, その個体差を前提にしても, 意識的腹式呼吸 (呼気と吸気の時間の比が2: 1) は, 呼吸循環機能を経時的に坐位より緩徐にさせ, 副交感神経活動を亢進状態に導き, その状態を持続させる事は可能であり, その効果が交感神経緊張傾向の人 (G1, G2) に大きく現われたことは特筆すべき事である.<BR>従って, 意識的腹式呼吸は日常生活で生じるストレスを, 自分自身で処理して行くストレス・マネジメントの一方法として活用できる事を確認した.
- DOI
- 10.7600/jspfsm1949.50.105
- オンライン閲覧公開範囲
- インターネット公開
- 連携機関・データベース
- 科学技術振興機構 : J-STAGE
- 要約等
- 腹式呼吸は健康法として, またストレスを緩和させる方法としてその有効性が実証されつつあるが, ヒトには個体差がありストレスに対する反応の現われ方は様々である.<BR>そこで, 心拍変動 (RR間隔変動) から求める自律神経機能評価三指標1) %RR50, 2) CV<SUB>RR</SUB>, 3) E/I<SUB>ratio</SUB>の臥位における平均値を基準値と定義して, 三指標全てが平均値以下のG1 (交感神経活動亢進傾向群) , 平均値以上のG3 (副交感神経活動亢進傾向群) , 三指標の内いずれかが平均値以下, または平均値以上のG2 (中間群) の3群に分別し, 各群の自律神経機能と呼吸循環機能の特徴と腹式呼吸の有効性の違いを検討した.<BR>本研究の対象は女性20名 (48.4±5.5歳) で, 安静臥位 (20分) , 安静坐位 (20分) , 腹式呼吸 (20分: 呼気と吸気の時間の比が2: 1になるように指示した) , 回復 (30分) の計90分間のRR間隔変動 (100個/回) を経時的に測定し (計16回) 、前述の三指標の他にスペクトル解析による四指標 (HF, LF, LF/HF, HF/SUM) とHRを算出, それに対応して血圧値, f, P<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>とP<SUB>tc</SUB>CO<SUB>2</SUB>を測定し, 以下のような結果を得た.<BR>1.安静時臥位において, 自律神経機能評価三指標 (%RR50, CV<SUB>RR</SUB>, E/I<SUB>ratio</SUB>) とHF (高周波成分) はそれぞれ高い正相関 (各P<0.01) を示し, 安静臥位では副交感神経活動が亢進状態にあった事が確認された.<BR>2.群別した3群の特徴と腹式呼吸の影響を以下に示した.<BR>1) G1は群内の個体差が大きく, 特に坐位より臥位において交感神経が緊張傾向を示した.しかし回復では坐位より副交感神経機能優位を示し, その状態が回復30分後まで持続した腹式呼吸の持続効果がみられた.呼吸循環機能は平均値と近似していた.<BR>2) G2は全測定を通してfと血圧は3群中で高値を示した.そして臥位のP<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>値は平均値より低値, P<SUB>tc</SUB>CO<SUB>2</SUB>は高値, HRとfの高値傾向から, 呼吸が浅く速いことが判明した.しかし回復ではHRとfは坐位より低下し, 副交感神経機能は優位になり腹式呼吸の影響が大きく示された.<BR>3) G3は, 臥位において副交感神経が緊張傾向にあり, fと血圧は常時平均値より低く, 血圧とHRとの間に極めて強い関連性がみられた.回復では腹式呼吸後20分以降に副交感神経活動が亢進状態になっている事が認められた.そして他の2群と異なる点は, 回復時のP<SUB>tc</SUB>O<SUB>2</SUB>が腹式呼吸より高く, P<SUB>tc</SUB>COvは逆に低値を示し, より深いG3の腹式呼吸の影響が血液ガスに現われていた.<BR>以上の測定結果から, 安静臥位における自律神経機能三指標の平均値を基準に分別した3群は, それぞれの自律神経機能ならびに呼吸循環機能の基礎レベル, またその両者の関連性にも特徴がみられ, 体位変換や腹式呼吸による反応も各群で異なり, 安静臥位における自律神経の緊張の違いが刺激応答にも反映している事が明示された.しかし, その個体差を前提にしても, 意識的腹式呼吸 (呼気と吸気の時間の比が2: 1) は, 呼吸循環機能を経時的に坐位より緩徐にさせ, 副交感神経活動を亢進状態に導き, その状態を持続させる事は可能であり, その効果が交感神経緊張傾向の人 (G1, G2) に大きく現われたことは特筆すべき事である.<BR>従って, 意識的腹式呼吸は日常生活で生じるストレスを, 自分自身で処理して行くストレス・マネジメントの一方法として活用できる事を確認した.
- DOI
- 10.7600/jspfsm1949.50.105
- オンライン閲覧公開範囲
- インターネット公開
- 関連情報(URI)
- 連携機関・データベース
- 国立情報学研究所 : CiNii Research
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- 書誌ID(NDLBibID)
- 5671059
- NII論文ID
- 110001918613