一般注記本資料は2016年1月19日にプレスリリースされたものである。
大阪大学大学院工学研究科附属超精密科学研究センターの山村和也准教授、大久保雄司助教らの研究グループと積水化学工業株式会社のR&Dセンター及び日油株式会社の研究本部は、共同でフッ素樹脂と金属膜とを接着剤を用いることなく強力に接合する技術の実用化を行います。フッ素樹脂は水や油をはじく性質を持つことから撥水コートやフライパンの焦げ付き防止コーティングをはじめとして日用品にも広く使われています。また、電気的な特性にも優れているため、情報通信量の増大に対応する高周波回路用の基板材料としても期待されています。しかしながらフッ素樹脂は化学的には不活性であるため、他の物質との接合が極めて困難です。そこで、大阪大学は他研究機関と共同で、フッ素樹脂に対して大気圧プラズマを照射するだけで接着剤を用いることなく金属膜やブチルゴム を強力に接合する技術を開発しました(特願2014-181663)。そしてこのたび、本技術の実用化と普及を加速するため、大阪大学と積水化学工業株式会社ならびに日油株式会社が協力して技術開発を行うことにいたしました(図1及び図2)。本技術の適用により、フッ素樹脂を用いた高周波用の高性能回路基板をオンデマンドで低コストに作製することが可能となり、自動車の衝突予防システム用のミリ波レーダーの普及や、今後ますます増大する情報通信量を高速に処理する問題の解決に貢献します。さらに、フッ素樹脂表面の金属化の用途が大きく拡がることが期待されます。本開発成果は、平成28年1月27~29日にSURTECH2016(東京ビッグサイト)にて、平成28年3月22日~23日に表面技術協会-第133回講演大会(早稲田大学)にて報告されます。
一次資料へのリンクURLPressRelease_20160119.pdf (fulltext)
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