一般注記地層処分ヴァーチャル・エンジニアリング・システムは,従来シミュレーションや数値計算などと呼ばれてきた物理工学上の現象を,コンピュータにより数値的に計算模擬する技術を基に,オブジェクト指向,並列計算法等,革新するソフトウェア工学の成果を地層処分の安全性評価研究に応用し,処分の安全性に係わる技術論拠となる情報を多方面から総合的に評価することを目的として,専用に統合開発するコンピュータ・システムである。同システムを開発・運用することにより,高レベル放射性廃棄物地層処分の安全性評価にかかわる,実験の難しい長期(数千から数十万年)に亘る現象の考慮性に係わる技術を判断し,処分システムの設計の最適化をするための指針等を得るとともに,多分野にまたがる専門家が,自己の領域と他の領域との関係を容易に理解するための基盤を提供することがプロジェクトの目標である。平成9年度は,前年度に整理したソフトウェア工学面の技術と試作システムを基にヴァーチャル・エンジニアリング・システム全体について基本的な設計検討を行った。設計作業に伴い,確認の必要な技術は試作を行い評価した。技術確認は既存のシミュレーション・コード出力をビジュアルに統合するインターフェイスに重点をおいた。そのため既に開発されている核種移行評価コード「RELEASE」,熱・多相流体連成解析コード「TOUGH2」,3次元地下水流れ評価コード「3D-FEMWATER」コードを用いて異なったモデルにより検討した。検討の結果,対象としたコードは,インターフェイス・プログラムを準備することにより,開発中のヴァーチャル・エンジニアリング・システムの視覚化機能で対応でき,3次元ビジュアル・シミュレーションを行うことが確認できた。研究開発の結果,より詳細に連携したシミュレーション・システム全体の設計検討と,対話機能,データベース機能,ソフトウェア品質管理機能等を提供するサポート・システムの開発が今後の課題として残された。
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一次資料へのリンクURL/PNC-TJ1064-98-002.pdf (fulltext)
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System