博士論文
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国立国会図書館デジタルコレクション
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祖父母と発達障害児及び発達につまずきのある児との交流が双方に与える影響
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/11673212
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一般注記:
- 本研究の目的は、祖父母と発達障害児及び発達につまずきのある児の交流に関して、祖父母は児にどのような関わりをしているのか、またそのことにより児及び祖父母はどのような影響を受けているのかを明らかにすることである。研究は、研究1、研究2、研究3の3部からなる構成とした。研究1では、児と祖父母が交流すること...
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 二重, 佐知子
- 出版年月日等
- 2019-03-08
- 出版年(W3CDTF)
- 2019-03-08
- 授与機関名
- 兵庫教育大学
- 授与年月日
- 2018-03-24
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2018-03-24
- 報告番号
- 甲第291号
- 学位
- 博士(学校教育学)
- 博論授与番号
- 甲第291号
- 本文の言語コード
- jpn
- 一般注記
- 本研究の目的は、祖父母と発達障害児及び発達につまずきのある児の交流に関して、祖父母は児にどのような関わりをしているのか、またそのことにより児及び祖父母はどのような影響を受けているのかを明らかにすることである。研究は、研究1、研究2、研究3の3部からなる構成とした。研究1では、児と祖父母が交流することによる影響を探索的に把握するため、保育士へインタビュー調査をした。そして、把握した内容を実証的に明らかにするため、祖父母との交流が児に与える影響に関する質問紙を作成し、郵送調査をした。35名の保育士にインタビュー調査をした結果、【児への影響】、【保護者への影響】、【祖父母の態度】が見いだされた。祖父母と関わることによる【児への影響】では、≪コミュニケーションが上手になる≫等であった。【保護者への影響】では、≪育児負担が減る≫等であった。【祖父母の態度】では、≪ゆっくりと関わっている≫等であった。 次に、保育士のインタビューで得られた「祖父母との日常的交流における発達障害及び発達につまずきのある児への影響」のサブカテゴリの内容を、実証的に明らかにするため、「祖父母との交流が孫(発達障害児または疑いを含む)に与える影響に関する質問紙」を作成し、調査した。その結果、概ね祖父母との交流は良いとの結果が得られた。また、祖父母との交流において正の影響が示唆されたサブカテゴリは、「人との関わりが上手になる・甘え方が上手になる」、「心や情緒が豊かになる」、「依存的になる」、「あいさつができる」、「絵本を見る」であった。 研究2では、発達障害児及び発達につまずきのある児が、祖父母と交流することによる児の行動発達上の評価への影響について、チェックシートⅢつまずきチェックシート[幼稚園用](以下つまずきチェックシート)を用いて、保育士に調査をした。まず、予備調査として、小規模に保育士への聞き取り調査をした。予備調査にて、祖父母と交流することによって児の行動発達上の評価への影響が示唆されたため、統計的に信頼性を高めるために、対象地域、サンプル数を拡大し、本調査を実施した。 予備調査では、35名の保育士へ調査をした。その結果、祖父母の関わりにより、学習障害に関する領域の「聞く」、「話す」、「読む」に正の影響が示唆された。また、注意欠陥多動性障害に関する領域の「不注意」、「多動性-衝動性」や高機能自閉症に関する「対人関係やこだわり等」の領域においても正の影響があることが示唆された。本調査では、300名の保育士に郵送調査をし、104名の回答が得られた。つまずきチェックシートの調査に加え、児の属性(性別、年齢、医療機関・療育機関との関わりの有無、祖父母との関わりの有無)、祖父母の属性(続柄、児との交流の頻度、健康状態、児の障害の理解、育児協力、保護者との関係性、住居、住居距離)を調査した。その結果、発達障害児及び発達につまずきのある児の祖父母は、母方祖母との交流が一番多く、健康状態、児の障害の理解、育児協力、保護者との関係において、5~6割が概ねよいという結果であった。また別居で近くに住んでいる祖父母において、よく児と交流していることが窺えた。そして、祖父母の障害の理解の程度が高い群では、児の医療機関及び療育機関との関わりが有意に多かった。つまずきチェックシートの調査においては、祖父母の「交流の程度」、「健康状態の程度」は、概ね児の行動発達の評価に正の影響を与える結果とはならず、特に学習障害に関する領域では、概ね祖父母は正の影響を与えていなかった。しかし、祖父母の「障害理解の程度」では、注意欠陥多動性障害に関する領域によい影響が見られた。「育児協力の程度」では、学習障害に関する領域、注意欠陥多動性障害に関する領域、高機能自閉症等に関する領域にいい影響が見られ、「保護者との関係性」が高いほど、注意欠陥多動性障害に関する領域によい影響が見られた。祖父母がうける影響としては、児との交流の頻度が多いほど、祖父母の健康状態はよく、育児協力をしており、保護者との関係がよかった。研究3では、研究1で得られた【保護者への影響】、【祖父母の態度】を参考に、発達障害児の祖父母の子育ての関与や思いを明らかにすることを目的として、7名の当事者にインタビュー調査をした。その結果、【孫との交流】、【障害理解】、【育児協力】、【保護者との関係性】、【関係機関との関わり支援】の5つのカテゴリが見いだされた。【孫との交流】では、祖父母は、≪孫との余裕のある関わり≫、≪孫への客観的な視点≫、≪孫をかわいいと思う気持ち≫」、≪孫に好きなものをみつける手助け≫、≪他の子どもとの関わりの促し≫をしていたことが明らかになった。【障害理解】では、≪孫の障害の受け入れ≫、≪病院との関わり≫、≪療育との関わり≫、≪サポートブック≫、≪孫への対応に関する情報≫が示された。【育児協力】では、≪父方祖母の育児協力の姿勢≫、≪母方祖母の育児協力の姿勢≫、≪孫の世話≫が示された。【保護者との関係性】では、≪保護者への精神的フォロー≫、≪気遣い≫、≪家族支援≫が示された。【関係機関との関わり支援】では、≪病院との関わり(再掲)≫、≪療育との関わり(再掲)≫、≪保育所・学校との関わり≫、≪支援学級・支援学校への促し≫、≪保護者が相談できる場所を増やす促し≫、≪社会活動≫が示された。研究3より、研究1、研究2で得られた結果に関連した内容が確認された。以上より、本研究において、発達障害児への早期支援という観点で、医療機関や療育機関における専門的な関わりとともに、個別に行われる祖父母との交流は、重要な役割を担う可能性が示唆された。
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/11673212
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 受理日(W3CDTF)
- 2021-05-20T03:24:30+09:00
- 作成日(W3CDTF)
- 2021-12-13
- 記録形式(IMT)
- application/pdf
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