一般注記和漢古書につき記述対象資料毎に書誌レコード作成
写本
題簽による巻次: 乾, 坤
跋に「居候處右筆者ハ文政天保之交牛込小納戸町ニ居住之浪士ニ而田畑喜右衛門と申者のよし(中略)系譜専門家の手ニ成り候御傳記ナレハ其精密にして杜選ナラサルハ不可疑實ニ編史之御材料ニハ最良書之御得物と奉存候 右ハ明治十七年八月笠原光雄ヨリ田中正副ニ送リシ書翰ノ断片ヲ謄冩シタルモノナリ」とあり
奥書に「三陽松平御傳記ハ故田畑喜右衛門の著書なり乗承去る明治十七年八月官暇を得て郷里なる三河國幡豆郡西尾に赴きしをり同國西加茂郡長田中正幅(中略)の此書の事を語りたるによりそハいと珍らしき書なり借覧せむと約して帰京せしにそも此書の著者なと委しく知らまほしくおもひたるにたまゝゝ乗承當時修史館に奉職せしかハ同しくそこに勤むる高麗環となむいへる人にこれを質してさて此巻末に記せる事とも詳らかに知るを得たり依て家令笠原光雄ハ田中と交ことに深けれハ笠原をして此事を田中に告けしめしたるに田中いと喜ひ自からこれを寫しておくりこしぬ且笠原か書翰の要旨をさへ巻末に寫しそへたりさて乗承年ころ此書をいたく珍しくおもひ侍るに南葵文庫にも未た蔵せられすと承るによりてこたひ又さらに謄写せしめたるを貴文庫に贈りまゐらすになむされハ此ゆゑよし一言きこえまゐらせたくかくハ書いしるし侍りぬ あなかしこ 明治四十一年十月 松平乗承(「源氏」「乗承之印」朱印)」とあり
印記: 「南葵文庫」
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