一般注記type:Other
本研究は、行政・企業・NPO・市民間の「協働型ガバナンス」における中間支援組織の機能と役割を分析することにある。協働は参加アクターが異なる種類の権限と正統性を持ち、多様な手法により単一のセクターでは解決できない課題解決に向けた成果が期待される。しかし、我が国における協働研究は「協働はかくあるべき」という抽象的な規範論が多く、現実のセクター・組織間のギャップを埋め、協働を円滑にマネジメントする主体に実証的接近を行った研究が不足している。そこで、組織間のギャップを埋め、協働を円滑に進める主体として期待される「中間支援組織」に焦点を当て、その機能と役割を明らかにした。
平成28年度は、国外事例として、官民協働の支援に取り組む中間支援組織として米国内二つの組織、Center for Public Deliberation (CPD)とMassachusetts Office of PublicDeliberation(MOPD)への現地調査を実施した。協働型ガバナンスに関する資料解釈と現地調査に基づき、セクター横断的な協働の場造りに関しては、中間支援組織が問題状況の把握、ステークホルダーの分析、多様なアクターが参加する交渉や対話の場づくりが重要であることが確認できた。中間支援組織はセクター間の交流や話し合いを促すファシリテーター、コーディネーター的な役割が重要であることから、人材育成として大学生や行政職員向けのトレーニングや教育プログラムも提供されている。さらに近年では、個々の中間支援組織の経験や課題について情報共有を図るネットワーク化の動きも出てきており、優れた協働を生み出すために必要なノウハウや能力体系を一般化しようとする動きも確認できた。
identifier:http://reposit.sun.ac.jp/dspace/handle/10561/1314
一次資料へのリンクURLhttp://reposit.sun.ac.jp/dspace/bitstream/10561/1314/1/H28%e4%bd%90_ishidas.pdf
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)