一般注記乳幼児との継続接触体験を出産・育児経験のない青年期男女に実施し,親性育成効果を心理・生理・脳科学的に明らかにすることを目的とした。青年期男性9名,女性10名に対し,保育園の0歳児クラスで1回/1~2週,3ヵ月間実施した。親密育成評価のために質問紙調査および乳児の「笑い」「泣き」の映像を提示し,心理(STAI状態不安,感想)・生理(心拍パワースペクトル)・脳科学(fMRI)的評価を体験前後に行った。その結果,1)親性準備性尺度得点は,体験前より体験後,有意に高かった。2)STAIは,体験前後とも「笑い」より「泣き」で有意に高かった。映像に対する感想において,体験後敏感性,共感性の育成がみられた。3)心拍パワースペクトル(LF/HF)は,体験前「笑い」より「泣き」で有意に高かった。4)fMRIは,聴覚刺激のみの「泣き」の比較において,体験後は体験前より,感情や注意,認知領域である両側の部/後部帯状回,両側の中前頭回に有意な賦活を認めた。以上のことから,乳幼児との継続接触体験は,体験の積み重ねや乳幼児との関係性の構築により,親性育成に肯定的に影響していることが明らかとなった。
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