タイトル(掲載誌)福井大学 重点研究成果集2011 ー明日への挑戦ー
一般注記糖尿病性心筋症は心筋細胞内に脂肪が蓄積して脂肪毒性から機能障害をきたす心合併症である。心 筋に発現する脂肪滴関連蛋白ADRP の機能を解析するため、心筋特異的にADRP を過剰発現するト ランスジェニック (Tg) マウスを作製し、糖尿病を誘発して心筋を解析した。糖尿病化したTg マウ スの心筋は著明な脂肪蓄積にも拘わらず線維化は野生型マウスと同程度であり、心筋の新生コラーゲ ン含量は低下していた。遺伝子発現解析では、糖尿病Tg 心筋でcollagen は低下し、抗酸化蛋白 metallothionein 1 と糖代謝酵素G6PDH が増加していた。以上より心筋ADRP は、細胞内の過剰な脂肪 酸を脂肪滴内に隔離して糖尿病性心筋症を軽減する可能性が示唆された。
福井大学平成22年度重点研究「競争的配分経費(若手研究者支援)」
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