タイトル(掲載誌)福井大学 重点研究成果集2009 ―明日への挑戦―
一般注記近年、非侵襲的に脳全体の活動を計測する方法として、機能的磁気共鳴映像装 置やポジトロン断層画像(PET)が利用されている。しかし、これらの装置は主にヒトの脳 活動を計測するものであり、小動物用の装置は一般に普及していないため、動物実験レ ベルでの基礎的な脳機能の詳細なメカニズムを解明する研究はあまり進んでいない。本 研究では、ストレスを緩和させる匂いとして知られている樹木香の匂いを嗅がせること で、ラットのストレス行動が緩和されるのか、また、樹木香の匂いを嗅ぐことによって 脳内でどのような変化が見られるのかを小動物用PET を用いて調べた。また、皮膚の炎 症によって生じる長期的な痛みが起きる時、脳内でどのような変化が見られるのかを調 べた。実験の結果、樹木香を嗅ぐことによって、ストレスは緩和され、情動に関与している扁桃体、 ストレスに関与している視床下部で神経活動が抑制されていることがわかった。また、痛み刺激では、 痛覚処理に関与している体性感覚野、視床、情動に関与している扁桃体、記憶に関与している海馬で神 経活動の賦活が見られた。
学部間学内共同研究(工学研究科/高エネルギー医学研究センター)
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