一般注記ナイロン6ナノファイバーを積層させた複合型メンブランフィルターを作製し,微量ヒ素(III)の固相目視比色定量法に適用した.提案する手法は,ヒ素(III)とジベンジルジチオカルバミン酸からなる錯体をろ過によってフィルターに吸着・濃縮させ,引き続き銅イオンとの交換反応によって着色させる原理にもとづく.着色はナノファイバー層の上面のみで観察され,ヒ素錯体の濃縮と銅イオンとの交換反応は,ナノファイバー層だけで完結する.本研究で作製したナノファイバーフィルターは良好な通水性を維持し,孔径0.20 μmの従来のナイロン製メンブランフィルターよりも高い流量でのろ過が可能であり,測定の感度を損なうことなく所要時間を大幅に短縮することができた.さらに流量の違いによる影響も見られず,通水性の高さと測定感度の高さを両立できる手法となることが分かった.
一次資料へのリンクURLhttps://u-fukui.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=22375&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)