一般注記生物の性別は、受精時の性染色体の組み合わせによって遺伝的に決まるのが一般的です。しかし、魚類では、孵化前後の性分化時期に経験した水温の影響で、遺伝的な性(例︓XX、XY)と表現型の性(卵巣、精巣)が一致しない、いわゆる性転換個体が出現してしまう種が数多く知られています。近年、世界規模の問題となっている地球温暖化は、この様な性決定が水温の影響を受けやすい魚種の「種の存続」そのものを脅かしかねません。しかし、この「環境水温による遺伝型性の上書き」という現象は、これまで飼育環境下での報告例はありましたが、野生環境下では証明されていませんでした。東京海洋大学の山本洋嗣准教授らの研究チームは、東京湾に生息するトウゴロウイワシの仲間であるギンイソイワシが、実際に高水温の影響を受けて、遺伝的なメス(XX)がオス(精巣を持つ)に性転換していることを初めて証明しました(図 1)。今後、このような魚を指標種として利用することで、地球温暖化・気候変動が、魚類野生集団の性に与える影響を評価・予測するうえで重要な情報が得られると期待されます。
プレスリリース掲載論文はこちら : https://doi.org/10.1111/mec.15490
問合せ先:山本洋嗣
問い合わせ先は、発信当時のものです
source:https://doi.org/10.1111/mec.15490
source:https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15K18728/
source:https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15KK0277/
source:https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26241018/
source:https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01162/
source:https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000010447592/
source:https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000010231052/
source:https://www.kaiyodai.ac.jp/
identifier:15K18728
identifier:15KK0277
identifier:26241018
identifier:19H01162
一次資料へのリンクURLhttps://oacis.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2682&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
著作権情報Copyright©All Rights Reserved Tokyo University of Marine Science and Technology
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)