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書誌情報
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- 資料種別
- 記事
- 出版年月日等
- 2025-06-01
- 出版年(W3CDTF)
- 2025-06-01
- 並列タイトル等
- A Quantitative Textual Analysis of “The Nose”: Enlightenment
- タイトル(掲載誌)
- 環境と経営 静岡産業大学論集
- 巻号年月日等(掲載誌)
- 31 1
- 掲載巻
- 31
- 掲載号
- 1
- 掲載ページ
- 173-187
- 掲載年月日(W3CDTF)
- 2025-06-01
- 本文の言語コード
- ja
- 対象利用者
- 一般
- 連携機関・データベース
- 国立情報学研究所 : CiNii Research
- 提供元機関・データベース
- 学術機関リポジトリデータベース
- 要約等
- 本研究では、計量テキスト分析によって芥川龍之介の短編『鼻』とその原作である『今昔物語集』巻第 28『池尾禅珍内供鼻語』第 20 と『宇治拾遺物語』巻第 2 の 7『鼻長き僧の事』第 25 話の特徴を比較し、芥川自身による解説「『鼻』自解」を軸に考察することで芥川作品の再評価を行った。最初に「『鼻』自解」から読み取れる五つのキーワード:「傍観者の利己主義」「自尊心の毀損」「神経質」「鼻が短かった時間が極端に短い事」「あれ」をピックアップし、次に分析結果を基にそれらのキーワードについて考察することで、結論を次の三つにまとめた。第一に、原作 2 作品は鼻を持ち上げてもらい粥を食べる内容が特徴的であり、内供の俗的な一面を笑う滑稽譚であることが確認できた。一方、芥川作品は内供の心理面に関する内容が特徴的であり、「傍観者の利己主義」によって内供に「自尊心の毀損」が生じ、それが中童子への怒りの要因であることが確認できた。そして、内供の気質については、原作 2作品では気性の荒い一面が確認できたが、芥川作品では「神経質」な気質が確認できた。このように、三つのキーワード:「傍観者の利己主義」「自尊心の毀損」「神経質」が芥川作品に於いて特徴的であることが分かった。第二に、筆者らは四つ目のキーワード:「鼻が短かった時間が極端に短い事」を出発点として考察することにより、五つ目のキーワード:「あれ」が意味するものは、仏教用語の「自解(じげ)」(自ら悟りを開くこと)であり、それが芥川作品の主題であると結論付けた。同作品は、沙弥の昔から長い鼻に悩み続けてきた高僧が遂に辿り着いた自尊心を回復する為の最善の方法は鼻の施術という積極的な方法ではなく自分の心を変えるという消極的な方法であると説く傑作であり、様々なコンプレックスを抱えて悩み続ける人々に対して時代を超えて勇気を与える芥川からのメッセージである。第三に、芥川は自身の作品に対する世間の評価に敏感である弱点を「『鼻』自解」で自白し、内供同様、これからは自身の弱点を受け入れ、作家として自信を持って生きていこうと決意表明した。このように、『鼻』は芥川自身にとって思い入れのある傑作であると筆者らは評価する。
- オンライン閲覧公開範囲
- インターネット公開
- 連携機関・データベース
- 国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
- 提供元機関・データベース
- 静岡産業大学 : 静岡産業大学学術機関リポジトリ