並列タイトル等キョウドウテキ シコウ ト モンダイ カイケツ オ キジク トシタ デザイン ガクシュウ ノ カイハツ ト ジッショウテキ ケンキュウ
Development and Verification Research of Design Education Curriculum with Its Focus on Cooperative Thinking and Problem Solving
タイトル(掲載誌)平成18年-19年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書
一般注記type:Research Paper
混沌とした現代において想像力やコミュニケーション能力、さらに美的感受性を育む「美術」の幅広い力は、生きる力の根源を成立させる重要な要素である。その美術の力を作品制作や美的な鑑賞対象として狭く捉えるのではなく、そこに含まれる生活全般にかかわるデザイン力に注目したい。それは情報化・環境問題・福祉政策・国際理解などの現代的な課題に意識を向け、考える契機を与えてくれる力である。また、人や社会とのかかわりの中で関係性を捉えることのできる学習力でもある。それらの総合的な力を生かし、造形的な色や形を生かして自らの環境をより美的に改善していけるデザインが今本当に必要とされている。しかし、現行の中学校におけるデザイン学習は個人による平面構成、レタリング制作やポスターが題材として定着しており、デザインの本質に迫るような授業実践や研究はそれほど多くはない。そこで、消費生活に翻弄されることなく身近な生活用具やデザインされたモノへの認識を高めると同時に、デザインを通して問題解決ができる子どもたちを育てるために、協同的な思考を軸としてデザイン学習の新しいかたちを研究し提案したいと考えた。義務教育で必修科目である中学校美術科で、絵画や彫刻表現に比べ、等閑視されてきたデザイン領域に焦点をあて、協同的な学習と課題解決を軸にして、理論と実践を融合させた実証的な研究を進めることを目的とした。協同的思考による問題解決は、デザインプランニングやプレゼンテーション力、コミュニケーション力など将来に渡って必要とされる「生きる力」を養うものであり、また、適切なデザイン方法論に基づくデザイン学習は、子どもの学習意欲やデザインに対する興味関心を高めるものであるという仮説のもとに、実証授業を行い、さらにその結果に基づき具体的な授業のモデルを提案したいと考えた。そこでは、制作・プランニングに留まらず、鑑賞などのプロダクトデザインの視点からもヒトとモノとのかかわりまでを研究の視野に入れることにした。
identifier:平成18年-19年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書, pp. 1-109
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)