タイトルよみタンパクシツ ブンカイコウソ ケッソン ヘンイタイ ヲ モチイテ シメサレタ コウボ ニ オケル オートファジー ナラビニ ソノ ユウドウ ノ ジョウケン
並列タイトル等<Translation>Autophagy in yeast demonstrated with proteinase-deficient mutants and conditions for its induction
一般注記翻訳者 : 高石, 晃太郎 / 松村, 日菜子 / 石田, 祐大 / 西本, 朱歩 / 山田, 桂花 / 水田, 京杏 / 東, 生蕗 / 茶園, 真衣 / 黒木, 凛 / 山口, 和実
原著者 : 竹重, 一彦 / 馬場, 美鈴 / 坪井, 滋 / 野田, 健司 / 大隅, 良典
解題 : 野田, 健司
©1992 Takeshige K., Baba M., Tsuboi S., Noda T., Ohsumi Y. Originally published in The journal of cell biology. https://doi.org/10.1083/jcb.119.2.301
酵母サッカロミセスセレビシエ内での液胞分解の生理学的役割や仕組みの決定のために、タンパク質分解酵素A,BやカルボキシペプチターゼYを持たない突然変異細胞が栄養ある培地から様々な栄養素を欠いた人工培地へと移された。そして、それらの液胞の形態上の変化が調査された。栄養不足の培地で1時間培養したのち、いくつかの球体が液胞内に現れ、活発にブラウン運動をした。これらの構造体は次第に数を増やし、3時間後、液胞をほとんど完全に満たした。それらの蓄積の間、液胞の区画の体積も増加した。電子顕微鏡試験は、これらの構造体が、他のどの細胞内膜よりも薄く見える単位膜によって囲まれていることを示した。構造体の中身は細胞質基質と形態的には見分けがつかなかった。これらの構造体は、細胞質リボソーム、粗面小胞体、ミトコンドリア、脂質顆粒、グリコーゲン顆粒を含んでいて、構造体での細胞質リボソームの密度は、細胞質基質での密度とほとんど同じであった。構造体の直径は、400nmから900nmに及んだ。これらの構造体を蓄積していた液胞はOhsumiとAnrakuの方法の修正によって調製された。(Ohsumi,Y.,and Y.Anraku. 1981. J.Biol.Chem. 256:2079-2082)単離した液胞はリボソームを含み、細胞質内酵素のグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼの潜在的活性を示した。これらの結果は、これらの構造体が液胞内の細胞質基質を隔離したことを示唆している。我々はこれらの球体を「オートファジックボディ」と名付けた。液胞内のオートファジックボディの蓄積は、窒素飢餓だけでなく、細胞周期の停止を引き起こした炭素や単一アミノ酸などの栄養素の枯渇によっても誘発された。遺伝子分析によって、液胞内のオートファジー構造体の蓄積が、PRB1生成物のプロテアーゼBの欠乏の結果あり、PRB1遺伝子の破壊がこの結果を確かなものにしたことを明らかにした。PMSFの存在下では、野生型細胞は、複数のプロテアーゼ欠損変異体または破壊されたPRB1遺伝子を持つ細胞と同じ方法で、栄養素欠乏条件下で液胞にオートファジックボディを蓄積しました。オートファジー体は正常細胞の培養物からPMSFを除去した後急速に消失したため、通常のオートファジープロセスの中間体であるに違いない。これは、栄養欠乏条件では酵母の細胞の液胞でのオートファジーによる細胞質基質成分の分解が大規模に起こるとういうことを示す初めての報告書である。
一次資料へのリンクURLgakumonhenotobira_13.pdf (fulltext)
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