並列タイトル等Archives and Human Life:Interactive Study among Past, present and Future ,Annual Report 2016
タイトル(掲載誌)広領域連携型基幹研究プロジェクト 日本列島における地域社会変貌・災害からの地域文化の再構築 国文学研究資料館ユニット ――人命環境アーカイブズの過去・現在・未来に関する双方向研究―― 2016年度年次報告書 = Archives and Human Life:Interactive Study among Past, present and Future, Annual Report 2016
一般注記国文学研究資料館
人間文化研究機構広領域連携型基幹研究「日本列島における地域社会変貌・災害からの地域文化の再構築」のなかの国文学研究資料館ユニット「人命環境アーカイブズの過去・現在・未来に関する双方向的研究」は、国文学研究資料館基幹研究「アーカイブズと地域持続に関する研究」と緊密な連携をはかりつつ、調査・研究活動を進めている。今年度の活動を、①民間資料、②公文書、③災害資料・災害史の対比、の三つに分けて、ここで簡単に紹介しておきたい。詳しくは本文を参照されたい。なお本書の編集は堀内暢行(本研究プロジェクト研究員)が担当した。記して感謝したい。①民間資料を対象とした活動は、おおきく、1)自然災害・原発災害による被災資料保全活動、2)国文研館蔵史料に関連する地域の史料調査・普及活動、に分けられる。1)は、福島原発事故被災地域、および東日本大震災・関東東北豪雨による茨城県の被災地域において行われた。前者の特徴は、帰還困難区域に入ったために極めて理不尽な形で所蔵者と離れてしまった資料に対する活動である、という点である。後者の特徴は、茨城大学との緊密な連携のもとに活動を行なっていることである。2)は、具体的には松代と伊豆であり、そのなかでも特に当館所蔵の真田家文書(大名)・八田家文書(御用商人)等がもともと存在していた松代では市民向けのシンポジウムを行なった。将来的に津波被害が予想される伊豆地域でも、当館所蔵内浦史料などの出所地域でもあるため、調査・普及活動を開始した。この項目の活動の全ては、それぞれの地域の歴史と文化の継続に貢献しようとしている点も特徴的である。②公文書を対象とした活動は、東日本大震災により津波被害を受けた釜石市役所公文書、関東東北豪雨により洪水被害を受けた常総市公文書の保全である。前者では、被災してから5年を経た後の文書がどのようになっているのかという研究を、水濡れの度合いや焼け焦げなどといった被災症例ごとに開始した。また、釜石市役所との協議会「文書管理と震災アーカイブズ」を開催し、これからの公文書管理に関する具体的な連携の模索を開始した。後者では、常総市役所と当研究メンバーとの間で情報共有を行なった。さらに、遠野市役所が保管する被災図書の保全活動にも従事した。③災害資料・災害史研究の対比では、まず、昨年度の準備研究のなかで開催されたプレ国際研究会「近世巨大都市災害研究の現状と課題」の内容を収録しておいた。今年度は国内研究会を2回開催したほか、ロンドン大学歴史学研究所が主催するシンポジウム「都市と災害―歴史における都市の適応力とレジリエンス」において、セッション7「近世首都における災害対応」を主宰し、外国史の研究協力者2名とともに報告したことが最大の成果であった。なお、この第7セッションはプログラムに人間文化研究機構の英文名称が明記され、シンポジウム全体の趣旨説明文でも冒頭に言及された。なお、掲載許可が必要そうな画像を全て削除したため、不体裁な箇所がいくつか生じているなど不備も多いが、その点はお許しいただきたい。 (渡辺浩一)
1.全体研究会2.民間資料3.公文書4.災害資料・災害史の対比・第1回国内研究会(2016.8.10)・ロンドン大学国際会議「都市と災害―歴史における都市の適応力とレジリエンス」(2016.11.4)・第2回国内研究会(2017.3.1)
identifier:2017-03
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース人間文化研究機構国文学研究資料館 : 国文学研究資料館学術情報リポジトリ