並列タイトル等おおひらいせき
北海道新幹線建設事業埋蔵文化財発掘調査報告書/木古内町
一般注記[大平遺跡 要約]
遺跡はJR木古内駅から南西へ約1.8km、木古内川と建有川に挟まれた平坦な低位海岸段丘上に立地し、標高は15から20mである。遺跡の調査は、平成21年度と平成22・23年度に行われ、今回の報告が3冊目の報告書となる。2冊目の大平遺跡2遺構編(北埋調報321)では、竪穴住居跡45軒、土坑50基、フラスコ状ピット63基、Tピット2基、柱穴状ピット36基の報告を行っている。今回の報告書は、焼土・剥片集中・礫集中・盛土遺構とその遺物、および包含層出土の遺物についての報告である。焼土は93か所検出されている。フローテーションを行い、炭化物(オニグルミ、クリ、ニワトコなど)や焼骨片(サケ類・アイナメなどの魚類、シカ・クマなどの哺乳類)が検出されている。剥片集中は121か所検出されている。頁岩剥片を主とした203,199点の遺物が出土した。長さ20cmを超える大型の両面調整石器や礫器・石核なども多く出土している。札号作業を行い、35点の接合資料を掲載した。接合点数が400点を超える接合資料もある。礫集中は2か所検出されている。5cmほどの小礫が集まって出土しているものや2から10cmほどの礫が集まって出土しているものが検出されている。盛土遺構と包含層から出土した遺物は、土器973,810点、石器等212,182点、合計1,185,992点である。土器は、2群B類土器が約97%を占め、2群B-3から5類土器が特に多い。石器等はスクレイパー、たたき石、すり石が多く出土している。土製品では、有効土製円板、擦切土器片、耳栓、焼成粘土塊などが出土している。石製品では異形石器、滑石製の垂飾やけつ状耳飾、つまみ付ナイフミニチュア、線刻礫、軽石製石製品(北海道式石冠状、すり石状など)などが出土している。
DOI10.24484/sitereports.28159
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