並列タイトル等あぶくまひがしどうろいせきはっくつちょうさほうこく
荻平遺跡(2次調査) ; 小豆畑遺跡
一般注記[荻平遺跡 要約]
荻平遺跡は相馬市西部の山間部に所在し、宇田川上流域の河岸段丘上に位置する遺跡である。今回の2次調査では、大きく西地区と東地区に分かれて計23,600の範囲について調査を実施した。調査の結果、西地区では縄文時代前期の大形竪穴住居跡がみつかり、小規模ながら集落が営まれていたことが確認された。東地区では平安時代を中心に豊富な鉄製品や、灰釉陶器などの出土が認められたほか、古代官人着用していた腰帯の石製銙帯の出土が特筆される。石製銙帯の出土は当地域では初見であり、山間遺跡での出土という点でも貴重であり、当遺跡の性格を語る上で非常に特筆されるものである。山間部集落におけるあり方の解明の一助となる貴重な事例である。
[小豆畑遺跡 要約]
小豆畑遺跡は、相馬市西部の山間部に位置し、宇田川流域の河岸段丘上に位置する遺跡である。遺跡の全域に当たる800の範囲について調査を実施した。全体的に宅地造成のため削平が著しい。調査の結果、長方形状の大型土坑が見つかった。堆積土は炭化材を基調とする黒褐色土と炭化物を多量に含む層からなり、焼土も多量に含まれる。こうした所見から、木炭を焼いた土坑で、天井部などの構築物はなく、窯構造をとらない半地下式の木炭焼成土坑と考えた。炭化材について放射性炭素の年代測定を行ったところ12世紀末から13世紀という年代が示されている。その例から勘案すると、中世の生産遺跡との関連が窺われる。
DOI10.24484/sitereports.23372
一次資料へのリンクURLhttp://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/41/41282/23372_1_%E9%98%BF%E6%AD%A6%E9%9A%88%E6%9D%B1%E9%81%93%E8%B7%AF%E9%81%BA%E8%B7%A1%E7%99%BA%E6%8E%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A.pdf
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