並列タイトル等いちのづかいせき1く(こふんじだい2・こだい・ちゅうきんせい)
経営体育成基盤整備事業小貝川西?期地区に伴う埋蔵文化財発掘調査
一般注記[市ノ塚遺跡1区 要約]
南流する小貝川の右岸、西根台地の東端に立地する。市ノ塚遺跡の範囲は243,150m2に及び、区域内には1区から12区とした調査区 が設けられている。 市ノ塚遺跡1区は主に縄文時代早期・古墳時代~中近世の遺構が確認され、古墳時代の集落跡の規模は大きい。このうち縄文時代早期・ 古墳時代の約半分の遺構については、第一分冊において既報である。 古墳時代の竪穴住居跡は254軒になるが、本分冊ではそのうちの147軒の竪穴住居跡を報告している。古墳時代前期37軒、中期後葉 ~後期前葉33軒、後期54軒である。分布は台地の縁辺部(東側調査区)の低地を臨む平坦地に古墳時代前期を中心に分布しており竪穴 住居の重複が著しい。以降古代まで続いているが各期の軒数は減少傾向にある。一辺20mの方形に廻る溝に区画された範囲を確認したが 内区には遺構が確認されていない。 古代の竪穴住居は27軒になる。古墳時代に比べると軒数は激減する。主に9世紀代の竪穴住居が多いことから、古墳時代後期から奈良 時代にかけて以降が見られなくなる時期がある。古墳時代~古代の出土遺物には、土師器が多く出土しているが、須恵器は出土量が少ない。 古代の竪穴住居から「上田」と墨書された坏が3点確認されている。 中近世は一辺40mの方形に廻る溝に区画された範囲に掘立柱建物跡・井戸跡地下式坑・方形竪穴・土坑・小穴が集中しており15世紀 ~16世紀の墓域の可能性がある。 地下式坑からは貿易陶磁の青磁碗が出土している。青磁碗は見込みに型押しによる草花文を施す丸碗で、15世紀前半期に位置付けられるか。中国龍泉窯青磁の系譜を引く青磁であろう。また、土坑からは古銭78枚が一緡の緡銭が出土している。
DOI10.24484/sitereports.24661
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