一般注記香川県教育委員会が昭和52年度から昭和59年度に実施した讃岐国府跡の確認調査報告書。包蔵地西半部にあたる約80,000㎡の中で8地点の確認調査を行い、各地点より7世紀から13世紀を中心とした国府関連の遺構・遺物を検出した。注目される遺構として、2次調査の9世紀前葉の遺物を含む段状遺構、5次調査の道路状遺構、6次調査の大型総柱建物、8次調査の築地遺構、9次調査の大溝・柵列がある。出土遺物は、円面硯・風字硯・須恵器転用硯や施釉陶器、越州窯青磁を先駆けとする古代後半から中世後半までは輸入陶磁器が多量に出土している。これらの出土量は讃岐国府内で屈指を誇るものであり、讃岐国府跡の存在を示すものとして注目される。以上の遺構・遺物の分布状況から、包蔵地西半部の国衙配置や変遷を推定し、輸入陶磁器の検討から讃岐国府跡をめぐる古代末から中世前半の流通を検討し、古代末~中世前半における国府の機能を推定した。
DOI10.24484/sitereports.41239
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