並列タイトル等かわべほりのうちいせき・なんばー16いせき
一般国道20 号(日野バイパス(延伸))建設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査 第1分冊 (川辺堀之内遺跡)
一般注記川辺堀之内遺跡は日野市の中央部、日野市川辺堀之内に所在し、浅川左岸に広がる中位段丘直下の低位段丘面に立地する。発掘調査は一般国道20 号( 日野バイパス( 延伸)) 建設事業に伴い、平成28 年10 月から平成31 年3 月まで行っている。調査総面積
は7,203㎡に及ぶ。今回の調査では、縄文時代の敷石住居跡や陥し穴土坑、集石、古墳時代前期の竪穴状遺構、古墳時代後期の土坑、平安時代の竪穴建物跡や掘立柱建物跡、溝、土坑、焼土跡、遺物集中地点、中世・近世の掘立柱建物跡や溝、竪穴状遺構、地下式坑、土坑、近代の養蚕関連施設等の遺構と遺物が検出された。
縄文時代では、中期末から後期初頭の敷石住居跡が検出された。住居跡に敷き詰められた敷石や炉が良好に残存し、炉の北側
には、緑色片岩の石棒が横たえられており、何らかの祭祀儀礼が行われていたことを推測させる。奈良・平安時代の遺構として
は、15 棟の竪穴建物跡と調査区を並走して横断する2 条の溝の存在が注目される。低位段丘面や沖積低地に立地する集落遺跡の
実態を考える上で、興味深い調査成果である。中世・近世では、方形居館になる可能性がある区画溝や掘立柱建物跡、溝、地下式坑、井戸、土坑等多種多様な遺構群が検出された。これらの遺構群は、隣接する川辺堀之内城と関連する屋敷地を構成すると思われ、文献資料の乏しいこの時期における重要な成果となった。また、近代においては、養蚕関連施設を有する建物跡の調査を行った。多様な施設を備える遺構で、明治時代以降の日野市の近代化の様相を具体的に示す貴重な調査例となった。
DOI10.24484/sitereports.122048
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