並列タイトル等Exercise physiological study on the usefulness of Binding pedals during bicycle exercise
一般注記type:Thesis
近年,多様な目的で愛用されている自転車運動を対象に,足裏とペダルを固定して円滑なペダリングを可能にすると考えられているビンディングペダル(Binding pedal, BP)の有用性について検討した。まず,自転車競技者とBPの使用経験がない一般者にBPと通常のペダル(Normal pedal, NP)を用いて4つの定常負荷(50rpmと100rpmの回転数で100Wと150W)で5分間の自転車運動を行わせた。前脛骨筋と腓腹筋外側頭における筋放電量の相対値はNP使用時よりBP使用時が有意に低値を示し, この傾向は自転車競技者の低回転時(50rpm)に顕著であった。次に,自転車競技者に定常負荷(100rpm,100W)による60分間の自転車運動を行わせた結果,運動終了直前では前脛骨筋の筋放電量の相対値はBP使用時よりもNP使用時が有意に高く,運動中の心拍数もNP使用時が高い傾向を示した。さらに自転車競技者にBPとNPを使用して10秒毎に負荷が126Wから378Wの範囲で増加または減少する自転車運動を行わせた。BP使用時の大腿二頭筋長頭と前脛骨筋の筋放電量はNP使用時に比べて負荷増加時のペダルを引き上げる動作時に多く,ペダルを踏み込む動作時に少なかった。またBP使用時における負荷を変化させた直後の回転数変動はNP使用時に比べて少なかった。したがって,自転車運動時における下肢筋活動パターンや生理反応に与えるBPの影響は,BP使用経験の有無,ペダル回転数および運動時間によって異なること,また自転車競技者を対象とした負荷変化を伴う自転車運動時において,BP使用時ではペダルを引き上げるための大腿二頭筋長頭と前脛骨筋の顕著な筋活動により反対側の下肢で同時に実施されるペダルを踏み込むための筋活動を軽減できること,さらにBP使用時では回転数を容易にコントロール出来る可能性が示された。
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)