並列タイトル等チュウゴク リョウネイショウ シンヨウシ コウヘイケン ノ ショクリン
Chugoku Ryoneisho Shinyoshi Koheiken no shokurin
タイトル(掲載誌)KEO discussion paper. G : 『アジア地域における経済および環境の相互依存と環境保全に関する学際的研究』
一般注記type:text
1, はじめに日本学術振興会の助成による学未来開拓プロジェクトが開始されてから、ほぼ一年半が経過した。その当初から、中国遼寧省瀋陽市康平県の育林計画について、瀋陽市目本代表・王克鎮氏、本プロジェクトのリーダーである吉岡、そして現代中国論を専攻する小島が水面下で実現可能性を探ってきた。そして、育林計画を実施するめどが立ったので、計画の概要を説明しよう。本プロジェクトでは、一番安上がりな、したがって中国に定着しやすいバイオブリケット実験機を遼寧省瀋陽市と四川省成都市に設置し、その現地への定着のために、追跡調査を行なおうとしている。バイオブリケットの燃焼灰を含めて、一般に脱硫装置の廃棄物には多くの石膏分が含まれており、それは、アルカリ塩類集積土壌地の土壌改良に大変有効であることが確認されてきている。したがって、脱硫廃棄物は、瀋陽市から内モンゴルにいたる砂漠化しつつある地域に点在するアルカリ土壌地の土壌改良に一役買うことになる。この点については、本プロジェクト・ワーキンググループ3の定方氏を中心として、土壌の専門家・松本氏、脱硫の専門家・新田氏の研究の現地・とうもろこし畑の修復実験に多くを依存している。さて、現地康平県であるが、内モンゴルのカルチン砂漠に隣接しており、塩害以上に強風による砂の被害が大きい地区である。それが、現地の農民の極めて低い所得水準(100USドル/年)の大きな要因でもある。したがって、そこに塩害土壌改良と同時に、防砂林を造ることは、広範な外部経済を持つことになると思われる。脱硫による燃焼灰を利用し、現地の育林を充実することによって、脱硫技術が定着し、防砂によって所得水準も上昇することから、極めて重要な実験プランと考えている。この点については、瀋陽市長と林業局長等の計画とも合致し、このたび、王克鎮氏の仲介によって、小さいながらも中日合作の育林計画が進行することに成った。今回の第一次の実験は、7km×100m帯、総計0.7㎞2と小さいものではあるが、将来は、防砂を完了させるために、約100㎞ の植林帯として完成したい。我々は、実現のために水面下で努力された王克鎮氏にちなんで、通称『王老の長城』と呼んでいる。
表紙上部に"日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業複合領域「アジア地域の環境保全」"の表示あり
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AA12113622-00000049-0001
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)