並列タイトル等サンギョウ レンカン ブンセキ ノ カクチョウ ニヨル ハイキブツ ショリ システム ドウニュウ カノウセイ ノ ケンキュウ
Sangyo renkan bunseki no kakucho niyoru haikibutsu shori shisutemu donyu kanosei no kenkyu
タイトル(掲載誌)KEO discussion paper. G : 『アジア地域における経済および環境の相互依存と環境保全に関する学際的研究』
一般注記type:text
概要日本における近年の一般廃棄物、産業廃棄物の排出量はそれぞれ、約0.5億t、約4億tである。そのうち、再利用率はそれぞれ10%、40%にとどまり、最終処分場の残余年数は8.5年、3.0年と逼迫している。廃棄物の排出量を削減すること、さらに、排出されたものをできるだけ再利用することが求められている。この現状の中、廃棄物処理活動が環境に及ぼす効果を定量的に評価すること、また、その実現可能性を詳細に解析することは、問題解決のために不可欠である。これまで我々は、身近な廃棄物である紙のリサイクルを、Life Cycle Assessment手法を用いて解析した。古紙を再生紙にするマテリアルリサイクル、古紙を燃料として発電するサーマルリサイクル、いずれもCO2排出量を削減し、削減効果の優劣は発電効率や古紙の種類に依存するという結果を得た。リサイクルによる環境負荷低減に関する研究は、古紙以外にも、金属屑、プラスチックなどを対象になされている。しかし、その対象は特定品目であり、社会全体の廃棄物をリサイクルした効果の分析など、総合的な視点から検討した例はほとんどない。特に、最終処分量を環境負荷項目として、社会全体で評価したケースはない。本研究では、廃棄物処理システムの導入が環境に及ぼす影響と、その導入可能性を社会全体の視点から評価することを目指した。社会コスト最小化という目的関数を設定して最適化モデルを解くと、埋立処分量を削減していくと、CO2排出量は増加する傾向にあることを示した。また、各廃棄物の潜在価格を計算すると、有効利用されていても、マイナスの価格(逆有償)のまま、取引されているというようなケースがあることが分かった。新規処理システム(リサイクルも含む)の導入により、環境改善効果がある技術・システムは当然採用していくべきであるが、社会全体として「ゼロ・エミッション」を目指すことは、かえって環境負荷を増大させることになる場合があることがわかった。
表紙上部に"日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業複合領域「アジア地域の環境保全」"の表示あり
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AA12113622-00000104-0001
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)