タイトル(掲載誌)KEO discussion paper. G : 『アジア地域における経済および環境の相互依存と環境保全に関する学際的研究』
一般注記type:text
概要KAZ(Keio Advanced Zero-emission vehicle)は、高性能・高機能な電気自動車(ElectricVehicle:EV)である。環境問題への関心が高まる中、 KAZを含め電気自動車へ寄せられる期待は大きなものである。走行時における自動車本体からのCO2排出はなく、騒音も非常に小さい。KAZの”Z”は、”Zero-emissio”の頭文字であり、確かに走行時は自動車本体からのCO2排出はない。しかしながら、LCA(Life Cycle Analysis)の観点から見ると、走行時の電気自動車といえども”Zero-emission”とはいえない。電気自動車の「燃料」にあたる電気エネルギーは、日本においては火力(石油、石炭、LNG等)・原子力・水力その他の電源から供給されているが、特に火力発電所からCO2が発生しているのである。ライフサイクルアセスメントの観点から、各種素材・製品やそれに関わるシステムの設計・評価を行うため、技術デLタの積み上げを基本として分析を行ってきたが、これに産業連関表に表現されている包括性を取り込むため、両者を融合したハイブリヅド表を作成し、これを利用してKAZの製造・走行時のCO2排出量を推計した。その結果、製造過程においてはKAZの負荷は大きく、特にリチウムイオン電池とモーターの負荷が大きいこと、走行時といえど、全くのゼロエミッションではありえないこと、走行・製造全体でEVをGVと比較すると、4~5割程度の削減効果が期待できることがわかった。さらに、EVの特性を伸ばすためには、蓄電池とモーターの小型化・軽量化による製造時負荷の削減、電池寿命の延長や積載容量の増大といった生涯走行距離をのばすための改良が重要であろう。
表紙上部に"日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業複合領域「アジア地域の環境保全」"の表示あり
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AA12113622-00000158-0001
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)