並列タイトル等カケイ ノ ロウドウ キョウキュウ ノ モデル : フウフ カケイ ノ ニシャ タクイツ モデル ト ヨンシャ タクイツ モデル
Kakei no rodo kyokyu no moderu : フウフ カケイ ノ ニシャ タクイツ モデル ト ヨンシャ タクイツ モデル
一般注記type:text
この稿は,大きく分けて二つの部分より溝成されている.前半で,宮内(1991a)において示された,二人家計の雇用機会の諾否の選択の確率を叙述するモデルを夫婦家計について適用し,その検証結果について報告する.次に,雇用機会に加え自営就業の選択を,二人家計において内生的に叙述することを試みるモデルを示す.これを夫婦家計について具体化した結果を報告する.本稿では家計全体の所得一余暇の選好関数を用いず,二人家計の家計構成員の各々の選好関数を設定した.このモデルにおいては,各構成員の就業機会の諾否の選択は各自の選好関数に基づいてなされ,各構成員の選択は制約条件を通じて相互依存的である.ここでは分析対象を雇用に限定した二者択一モデルと,自営(内職)就業と雇用就業の選択を叙述する四者択一モデルを示し,家計の各構成員の労働供給確率を叙述する計量経済学的モデルの検証を行う.この稿では,当該図式を夫婦家計の夫と妻の就業機会の選択の図式として展開し,二者択一モデルでは,夫婦家計について観測される雇用就業の確率を叙述する.二者択一モデルの具体化に用いられた夫婦家計の就業に関する資料には,妻が内職就業を選択している家計が含まれており,この意味で,二者択一モデルは資料に対する近似であると考えられる.第2節～ 第4節では,夫婦家計の労働供給の二者択一モデルの具体化と検証について述べる.先ず,供給限界および臨界保証所得の概念を用いて,二人の構成員から成る家計における雇用就業機会の諾否の選択の図式が,各構成員の所得一余暇の無差別曲線の特性との関係において示された.次に,夫婦家計の子供の有無及び夫・妻の就業の確率についての観測事実を吟味し,これに基づいて資料を統御した.二者択一モデルの夫婦家計の夫と妻の所得一余暇の選好関数の推定を行い,この結果について報告する.第6節では,夫婦家計の労働供給の四者択一モデルの具体化と,現在までに得られた結果について報告する.第2節で用いられた資料において,妻が内職就業を選択している家計が全体の約2%程度であるのに対し,夫が内職就業を選択している夫婦家計め割合が0 .1%未満であることから,四者択一モデルの図式に対応した母集団においては,夫が内職就業を選択する確率はゼロとなるような領域に,夫の所得一余暇の選好関数の真のパラメータが存在している,という仮説を設定した.この仮説は,本稿での観測期間に限定されるものである.本稿では,四者択一モデルの理論構成は,この仮説にもとついて展開される.四者択一モデルの具体化は,第1次接近として,子供のいない夫婦家計に限定し,その結果が報告された.
DOI10.14991/004.00000034-0001
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