並列タイトル等アクティヴィティベツ CO2 ハイシュツリョウ ノ スイケイ : 1995ネン カンキョウ ブンセキヨウ サンギョウ レンカンヒョウ ノ サクセイ
Akutivitibetsu CO2 haishutsuryo no suikei : 1995nen kankyo bunsekiyo sangyo renkanhyo no sakusei
一般注記type:text
CO2排出の削減目標を設定するうえで、現在の正確なCO2排出量を計測することが最重要課題であることは言うまでもない。本稿の目的は、日本のCO2排出量を『1995年産業連関表』([1])に対応した形式で、どのように推計したかを詳説することである。日本の経済活動を最も詳細かつ包括的に記述している統計が『産業連関表』である。そのため、ここで計測されるCO2排出量も現在利用できる最も詳細かつ包括的なものになる。こうした『産業連関表』に即した経済活動(アクティヴィティ)分類のCO2排出量について、慶應義塾大学産業研究所環境問題分析グル一プは、すでに1985年表、1990年表を作成している。ただし、1985年ではSOx、 NOxについても計測されている。今回作成した1995年表は、1990年と同様にCO2排出量に焦点をあてている。過去の計測との形式上の違いは、次の2つに大別される。第一は、金額表を部門統合して正方化せず、矩形のまま使用していることである。これは、技術情報をとりこんだシミュレーションを行う際に、より簡便になるからである([2])。もちろん部門統合による正方化も、適宜行うことが可能である。第二は、1985年表では47品目、1990年表では50品目であったエネルギー品目を、1995年表では53品目に増加したことである。というのは、『1990年産業連関表』の「物量表」には記載されていなかった古紙が、1995年から追加されたからである。また、『鉄鋼スラグ統計年報』([3])をもちいて、高炉スラグのみではなく、転炉スラグと電気炉スラグも扱うようにした。今回の推計をおこなうに際し、特に留意した点は、過去10年間の地球環境問題に関する国際的議論の進展である。とりわけ、1997年の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で調印された京都議定書は、日本の温室効果ガスの削減量を2008～12年までに1990年に比べ6%マイナスと明確に規定している。そのため、より正確に、よりCO2削減技術を評価しやすい形式に、環境分析用産業連関表を作成する必要があった。その結果、たとえば啓蒙的な観点からは、より正確なCO2排出量の情報として最新版の環境家計簿の作成([4])が有用であろう。また、 CO2排出量の評価をおこなう未来技術としては、たとえばSPS(宇宙太陽発電衛星)やITS(高度道路交通システム)がある([5],[6])。これらの研究ではいずれも1990年表をもちいてCO2排出量が計測されているが、1995年表ではより新しい技術情報で評価することが可能である。もちろん今後は、より多くの新技術やリサイクル技術のCO2削減効果を評価することを考えている。本稿では、このような1995年環境分析用産業連関表の作成方法について述べたいと思う。構成は次のとおりである。第2節では環境分析用産業連関表を構成する各表について概説し、第3節では各表の推計方法について詳説している。
DOI10.14991/004.00000056-0001
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AA10715861-00000056-0001
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース（IRDB）（機関リポジトリ）