並列タイトル等ジュニュウ ニ カンスル ジョウホウ セイサク ノ タメ ノ キソ ケンキュウ : イクジ ザッシ ニ オケル ボニュウ ダイヨウヒン コウコク ノ リョウテキ・シツテキ ブンセキ ジュニュウ ニ カンスル ダイガクセイ ノ ケイケン、ニンシキ、ショウライ ノ テンボウ
Junyu ni kansuru joho seisaku no tame no kiso kenkyu : ikuji zasshi ni okeru bonyu daiyohin kokoku no ryoteki shitsuteki bunseki junyu ni kansuru daigakusei no keiken, ninshiki, shorai no tenbo
一般注記type:text
本論文は二つの研究を含む。
第一の研究では、育児雑誌における母乳代用品の広告の実際を把握することを目的に2008年10月から2009年3月の間に日本で発行された育児雑誌12誌(52冊)における母乳代用品広告の量および内容を分析した。母乳代用品広告の定義および内容の分析項目は日本を含む全加盟国が世界保健総会にて1994年に採択した「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」を参考とした。同規準は乳児の健康に関わる製品のマーケティングの適正化を目的に、消費者一般への母乳代用品の広告や試供品の提供等を規制している。雑誌の全面積に対する該当広告の面積を測定し、また内容分析は4人の調査者で行った。対象雑誌のうち、8割の雑誌では母乳代用品の広告が存在し、雑誌1冊の総面積(1頁の面積×頁数)あたり、平均1.7%(最小0.06%;最大5.2%)の広告面積の記載が明らかになった。対象読者を妊娠中とする雑誌の方が産後からと比較して有意に哺乳びん・人工乳首の広告記事数が多く、乳児用調整粉乳の広告には差が認められなかった。広告には乳児の写真や絵、 「母乳に近い」などの文言が使用されており、キャンペーンを付加しているものもあった。政府報告では各企業が一般雑誌への広告を自主規制していることになっており、現状の把握及び日本の社会的法的枠組みにそつて同規準に効力をもたせるための対策が求められる。
第二の研究では、大学生の男女の授乳に関する経験、認識、将来の展望を把握することを目的に291名の大学生にアンケート調査を実施した。275名(94.5%)の回答があった。質問は属性、授乳に関する経験、将来子どもをもつと仮定した場合の授乳方法の希望とその可能性の予測、認識/態度を測る日本語版lowa Infant Feeding Attitude Scale(IIFAS)の4つのパートに分かれている。全体的に公共の場で乳児が母乳を飲んでいる様子を見たことがある人の割合は粉ミルクを飲んでいる様子を見たことがある人の割合よりも低かった。女性の方が授乳の様子を目にした頻度が多く、母乳への希望と可能性、IIコFASの合計点は高かった。 IIコFASの合計点は家族知人の中で母乳の様子を見た頻度など多数の項目と相関が見られた。母乳を飲んでいた期間、家族知人の中・メディアで母乳を飲んでいる様子を見た頻度は母乳への希望と正の相関をなし、家族知人の中で母乳を飲んでいる様子を見た頻度は粉ミルクへの希望と可能性と負の相関をなした。各自が評価した母乳、粉ミルク、混合への希望と可能性を比較し、相対的希望と相対的可能性の組み合わせにより分類したところ、分類によって傾向の違いが見られた。大学生は将来子育てを担う当事者とも、公共や職場の一員として当事者の環境の構成員ともなる可能性がある。観察経験の機会の増加及び授乳方法の利便性、公共での授乳、仕事との両立等に関する認識への働きかけが母乳育児に対する好印象及び可能性の評価の向上につながることが示唆される。
授乳に関する情報をいかに社会一般や特定の集団に届けていくかという情報政策を考える上で、足がかりとなる基礎的なデータを提示できることを期待している。
秋山美紀研究会2011年度秋学期
identifier:SFC-SWP2012-004
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