並列タイトル等オンセンチュウ ノ シンキ ビセイブツ オヨビ ソノ RNA イデンシ ノ タンサク
Onsenchu no shinki biseibutsu oyobi sono RNA idenshi no tansaku
一般注記type:text
地球上には様々な環境が存在し, そこには多様な微生物が生息している。人類が実験室であらゆる地球環境を人工的に再現することは困難であり, 故に多くの微生物は現代の技術で培養することが不可能である。そこで近年, 様々な環境中に生息する難培養性微生物を対象とした遺伝子レベルの研究が盛んに行われるようになった。本研究では地中250〜1000mより直接に採取された湯野浜温泉(山形県鶴岡市)の源泉水(57℃, pH8.1)をサンプルとし, この環境に生息する微生物およびその遺伝子を得てこれを解析した。まず本環境に生息する微生物を調べるため, バクテリア•古細菌それぞれについて16S rRNA遺伝子配列に基づく系統解析を行った結果, ARMAN (Archaeal Richmond Mine Acidophilic Nanoorganisms)とよばれるグループに属する新規古細菌と, ßプロテオバクテリアに属する3種の新規バクテリアが本環境における最優勢種であることが示された。また, 同環境から得られた低分子RNA分画を用いたメ夕トランスクリプトーム解析の結果, 64, 194本(20,057種)のcDNA配列が得られ, これらの90%はtRNA, rRNAまたはそれらのフラグメ ント(分解産物と考えられるもの)であった。残りの10%(2,181本)の塩基配列は新規sRNA候補であり, このうち14種は観測数も多く既知のnon-coding RNAと配列や二次構造の相同性が無かった。さらに, そのうちの6種については安定な二次構造を形成すると予測されたことから, 新規機能性小分子RNAと考えられるものであった。また, 本研究では多くのtRNAとtRNAフラグメントが得られたが, その解析からtRNAの種類と分解位置について特徴的な関係を示すことができた。 バクテリアにおけるtRNA分解はこれまで大腸菌や放線菌のみで研究されており, さらにその対象となるtRNAの種類も限られていた。本研究では様々なtRNAに対してその分解位置を解析し, 多くのtRNAがアンチコドン周辺で分解されることや, 10種類のtRNAについては15塩基目と16塩基目の間で分解されやすいことなどを示した。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス先端生命科学研究会 2012年度学生論文集
修士論文ダイジェスト
identifier:SFC-RM2013-001
identifier:請求記号: 090@KE1@179-19
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