並列タイトル等マウス ショウカカン ナイヨウブツ ノ サイキンソウ オヨビ タイシャブツ ノ モウラテキ カイセキ
Mausu shokakan naiyobutsu no saikinso oyobi taishabutsu no morateki kaiseki
一般注記type:text
腸内細菌とは動物の腸内に生息している細菌のことであり, 宿主の消化管での消化機能をサポートする働きがある。消化管は部位ごとに機能が異なり, 胃では胃酸や消化酵素による食物の消化を行い, 小腸では主に分解された食物の吸収を担う。大腸では栄養素の吸収はほとんど行われず, 水分とミネラルの吸収, 及び, 便の排泄が行われる。さらに, 各消化管部位では腸内細菌叢が異なることが報告されているため, 本研究では, 各消化管部位での腸内細菌の機能と腸内細菌-宿主間の関係性を明らかにするために, 消化管内容物の代謝物プロファイルと消化管に生息する腸内細菌叢プロファイルの統合解祈を行った。本研究では, マウスの消化管の部位ごとに内容物を採材し, 代謝物プロファイルと細菌叢プロファイルを調べた。さらに, 無菌(Germ-free : GF)マウスとSPF(Specific pathogen-free)マウスを比較することで腸内細菌の有無による腸内環境の変化についても解析を行い, 各部位における変化について詳細を調べた。メ夕ボローム解析の結果から, SPFマウスとGFマウスともに代謝物プロファイルは消化管の部位ごとに異なることがわかった。SPFマウスの盲腸では, 腸内細菌が生産するピリドキサ一ルや酪酸などの代謝物質が蓄積していた。GFマウスでは, 結腸でガラクトースやフルクトース代謝に関連する代謝物質が特徴的に蓄積していた。SPFマウスとGFマウスの代謝物プロファイルが異なる原因として, 腸内細菌の有無だけでなく宿主の消化機能などの影響があるのではないかと考えられる。細菌叢解析の結果, SPFマウスで特徴的な細菌としてAllobaculum, Lachnospirase, Lactobacillus, Bacteroidalesが挙げられた。本研究により, マウス消化管部位における網羅的な代謝物と細菌叢のプロファイルの違いを明らかにした。また, 代謝物と腸内細菌の新たな相関関係の存在について示唆することができた。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス先端生命科学研究会 2013年度学生論文集
修士論文ダイジェスト
論文投稿中のため非公開
identifier:SFC-RM2013-005
identifier:請求記号: 090@KE1@179-20-1
請求記号: 090@KE1@179-20-2
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)