並列タイトル等ニキビ カンジャ ニ オケル ヒフ ジョウザイ キンソウ カイセキ
Nikibi kanja ni okeru hifu jozai kinso kaiseki
Skin microbiome analysis on acne patients
一般注記type:text
卒業論文のテーマである「皮膚疾患と皮膚常在菌との関係解明に向けて」から, 本卒業論文ダイジェストでは, 「ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析」について述べる。ニキビは代表的な皮膚疾患の一つであり, 皮膚中の毛包やその脂腺部位において細菌等との相互作用によって引き起こされる炎症性疾患である。中でも皮膚常在菌であるPropionibacterium acnesとの関連が以前より指摘されている。しかし, 常在しているP. acnesの割合は健常者とニキビ患者で相違は無く, その組成は菌株レベルで異なるという報告がある。また, P. acnesによって生成されるリパーゼは皮膚中のトリアシルグリセロールを分解して遊離脂肪酸を産生し, それらがニキビの炎症に関与している可能性も示唆されている。これらのことから, ニキビは皮膚常在菌であるP. acnesと何らかの関係があると考えられるが, 病理メカニズムは未だ明らかになっていない部分も多い。そこで本研究ではまず, ニキビと関連のある細菌同定のために, 次世代シーケンサーであるMiSeq(Illumina)を用いて, ニキビ患者における皮膚常在菌の16S rRNA遺伝子解析を行った。東京女子医科大学の出来尾格氏から提供されたニキビ患者8名の皮膚サンプルにおいて, ニキビ発症部位である顔面, さらに発症部位でない頭部および臀部を解析対象とした。得られた結果から, ニキビ発症部位とそうでない部位における細菌叢の違い, および部位ごとのP. acnes占有率の相違などが明らかとなった。今後の展望として, 健常者の同部位と比較することで, ニキビ患者に特異的な細菌叢を検出したり, 検出されたP. acnesのリパーゼ活性評価を行うことで, ニキビ患者特有のP. acnes株と健常者で見られる菌株との機能面での違いを明らかにしたい。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス先端生命科学研究会 2014年度学生論文集
卒業論文ダイジェスト
identifier:SFC-RM2014-003
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