並列タイトル等ビフィズスキン ノ ヒカク ゲノム カイセキ ニ ヨル ヒト チョウカンナイ エノ テイチャク メカニズム ノ カイメイ
Bifizusukin no hikaku genomu kaiseki ni yoru hito chokannai eno teichaku mekanizumu no kaimei
Comparative genome analysis of Bifidobacterium longum for elucidating the mechanisms of intestinal colonization
一般注記type:text
ヒト腸内細菌叢は, 宿主の消化, 吸収, 代謝への関与をはじめ, 免疫機能の活性化や病原菌の増殖抑制といった宿主の恒常性維持に重要な役割を担っている。Bifidobacterium属細菌(ビフィズス菌)に代表されるいわゆる善玉菌と呼ばれる細菌は, 整腸作用や感染症の予防をはじめ, 腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖抑制を行うなど様々な働きを持つことが知られている。これらのビフィズス菌はプロバイオティクス製品によって摂取することができるが, その効果には個人差がある。腸内細菌は同じ種であっても個人ごとに株レベルで異なるとの報告もあることから, ビフィズス菌についても個人固有の株が存在し, 外来性のプロバイオティクス菌は定着することができないため, プロバイオティクスの効果には個人差があるのではないかと考えられる。そこで, 本研究では個人固有のビフィズス菌株の存在やビフィズス菌の腸内定着メカニズムの解明を目指して, 複数の健常者から単離したビフィズス菌株の全ゲノム配列比較を行った。本研究では, 日本人の腸管内に数多く存在しており, ヒトに有益な効果をもたらすことが知られているBifidobacterium longumを対象とした。Randomly Amplified Polymorphic DNA法を用いて, 2名の便から単離された205クローンのB. longumのおおまかなゲノム配列を比較した結果, ヒトの腸内に定着しているB. longumは個人間においてゲノム配列が異なることが示唆された。さらに詳細なゲノム配列を解析するため, 次世代シークエンサーを用いて, 2名の便から単離された12株のB. longumの全ゲノム解析を実施した。本ダイジェストではそれらの結果について議論を行う。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス先端生命科学研究会 2015年度学生論文集
卒業論文ダイジェスト
identifier:SFC-RM2015-002
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