並列タイトル等チュウゴク ノ ジンミンゲン ノ キリアゲ ニ ツイテ : キリアゲ コウカ ノ ケンショウ ト セイサク テイゲン
Chūgoku no jinmingen no kiriage ni tsuite : kiriage kōka no kenshō to seisaku teigen
一般注記type:text
近年、高度成長を続けている中国経済は世界の工場および世界のマーケットとしての地位を確保し、かつ世界の素材・商品価格への影響力増大を通して東アジアだけでなく世界におけるプレゼンスを高めている。また、5000億ドルを超える米国の大幅な経常収支の赤字の一因が米国の対中国貿易赤字の拡大にあるとして、最近では1ドル= 8.3元あたりのレートでドルに固定されている中国の通貨、人民元に対する切り上げ要求が世界的に高まっている。ここには、「人民元の切り上げが行われさえすれば米国の対中国貿易赤字が改善し、米国の製造業者の所得と雇用が増える」という見解が前提にある。本稿ではそうした一般的に聞かれる見解は正しいとは言えず、仮に人民元の切り上げが行われたとしても対中国貿易赤字は大幅に改善することはないということを主張する。その理由として、中国と米国間の貿易収支を決定づける3つの要因、すなわち中国と近隣東アジア諸国の間で形成されている加工貿易の実態、ほぼ無制限に存在する余剰労働力と低賃金の持続、外資系企業への税制上およびその他の優遇処置の存在を指摘する。また、本稿では中国がとるべき政策についても検討する。
21世紀COEプログラム「日本・アジアにおける総合政策学先導拠点」
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