並列タイトル等チョウセン ハントウ アンゼン ホショウ コウゾウ ノ ケイセイ ト テンカイ
Chōsen hantō anzen hoshō kōzō no keisei to tenkai
Formation and development of the security structure on the Korean peninsula
一般注記type:text
申請書に記した通り、本研究の目的は1948年の南北朝鮮分断国家の誕生と、1950-53年の朝鮮戦争を経て固定化され現在にいたる朝鮮半島の分断体制(=停戦協定体制)について、安全保障の側面に焦点をあわせつつ、「朝鮮半島安全保障構造の形成と展開」を、主に韓国、北朝鮮、米国、中国、日本等の一次史料を用いて解明することである。停戦体制の「持続」として静的に語られることの多い朝鮮半島の秩序が、軍事安全保障の面では大きく「変容」してきたことを実証的に明らかにすることを目指している。2018年度は以下の論文、論考を通じて研究成果の一部を発表することができた。
第1に、「朝鮮半島と太平洋軍」土屋大洋編著『アメリカ太平洋軍の研究――インド・太平洋の安全保障』千倉書房、2018年、105―120頁では、朝鮮半島の安全保障構造の形成と特質を、米韓連合防衛体制の形成とアメリカ太平洋軍の役割という観点から明らかにした。
第2に、「盧武鉉政権期の日韓関係――韓国の新しい秩序認識の台頭」慶應義塾大学法学研究会編『法学研究』第92巻第1号(2019年1月)、97―116頁では、2000年代以降の韓国の安全保障構造に対する認識の変容を、盧武鉉政権期の対日政策および安全保障政策に焦点を合わせて分析した。
第3に、「米朝首脳会談と非核化への展望」『外交』50号(2018年7・8月号)、12―19頁では、2018年からの朝鮮半島情勢の変化が停戦協定体制や米韓連合防衛体制にいかなる影響を与えるのかについて論じた。
そして第4に「朝鮮半島の新秩序構築に積極的な関与を」『中央公論』2018年10月号、74―82頁では、変容しつつある朝鮮半島の安全保障構造が日本の安全保障に与える影響とその対応について考察した。
This research aims at analyzing the formation and development of the security structure on the Korean peninsula since 1948. Four articles published in 2018 successfully revealed part of the achievement of this research.
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