並列タイトル等ファミリー キギョウ ノ コーポレート ガバナンス ニ カンスル ジッショウ ケンキュウ
Famirī kigyō no kōporēto gabanansu ni kansuru jisshō kenkyū
Empirical study of corporate governance of family firms
一般注記type:text
本研究ではファミリー企業のコーポレートガバナンスを実証的に検証することを目指した。そのために日本の上場企業ファミリー企業を研究した。先行研究でも示されている通り、日本の上場企業には創業者一族が創業者の引退後も強い影響を及ぼしている企業が多数ある。本研究のデータベースでも日本の上場企業の約4分の1において創業者一族が最大株主であり、3分の1の企業で創業者もしくは創業者の子孫が経営者のポジションについている。これらのファミリー企業の業績や行動は非ファミリー企業と異なっているとされていることも多くの研究が示しているが、なぜ異なっているのかはまだ明らかにされていない。本研究では経営者の持株比率の違いがファミリー企業と非ファミリー企業の業績や企業行動の差を生んでいるのではないかと考え分析を行った。具体的には経営者の持株比率などのインセンティブの違いが企業行動や業績に与える影響を考慮してもファミリー企業と非ファミリー企業で企業業績や企業行動に違いがあるのかを検証した。ファミリー企業の定義は会長もしくは社長が創業者一族出身であるか、ファミリー企業が最大株主であるかを利用した。企業業績は利益率を示す総資産利益率(ROA)と株主資本利益率(ROE)、株式市場での評価を示すトービンのqとした。企業行動は設備投資、研究開発投資、現金保有、有利子負債などとした。分析の結果、これまでの先行研究と同様にファミリー企業と非ファミリー企業の間には企業業績ならびに企業行動に有意な差が見られるが、経営者のインセンティブを考慮するとこれらの違いが小さくなる傾向が見られた。これらの結果は、ファミリー企業と非ファミリー企業の企業業績や行動の違いの一端が経営者のインセンティブにあることを示唆していると考えられる。
We examine the corporate governance of firms that are controlled by founding families in Japan. We construct a new data set on founding families, which includes data on founding family ownership, family management, and generation of family senior managers. We find that about 36% of listed firms are managed by the founder or his descendant, and founding families are the largest shareholder in about 25% of listed firms.
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=2018000006-20180405
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)