並列タイトル等チョウセン ハントウ アンゼン ホショウ コウゾウ ノ ケイセイ ト テンカイ
Chōsen hantō anzen hoshō kōzō no keisei to tenkai
The formation and development of the security structure on the Korean peninsula
一般注記type:text
申請書に記載した通り、本研究の目的は1948年の南北朝鮮分断国家の誕生と、1950-53年の朝鮮戦争を経て固定化され現在にいたる朝鮮半島の分断体制(=停戦協定体制)について、安全保障の側面に焦点をあわせつつ、「朝鮮半島安全保障構造の形成と展開」を、主に韓国、北朝鮮、米国、中国、日本等の一次史料を用いて解明することである。停戦体制の「持続」として静的に語られることの多い朝鮮半島の秩序が、軍事安全保障の面では大きく「変容」してきたことを実証的に明らかにすることを目指している。2019年度は主に以下の論文、論考を通じて研究成果の一部を発表することができた。
第1に、「日韓関係の『出口』はどこにあるのか」『外交』57号(2019年9・10月号)、52―57頁では、おもに2000年代以降の韓国内における朝鮮半島を取り巻く国際情勢認識や安全保障認識がどのように変化、変容したのかを論じ、あわせてその変化が日韓関係および日米韓の安全保障関係にも影響を及ぼしていることを考察した。
第2に、「危機に直面する日韓関係」亜細亜大学アジア研究所『対立から対話へ――激動する朝鮮半島情勢を読み解く』2019年、39―61頁では、民主化後の韓国政治・社会の変化が日韓関係を含む東アジア国際秩序にどのような影響を与えているのかを論じた。
第3に、"Assessment of the Second US-North Korea Summit and the Future Course of North Korea's Denuclearization," Asia-Pacific Review, Volume 26(2019), pp. 146-161では、北朝鮮の核開発問題が朝鮮半島の安全保障構造にもたらしている変化について、米朝交渉での論点を取り上げつつ分析した。
そして第4に、「韓国外交と地域秩序構想」佐橋亮編『冷戦後の東アジア秩序――秩序形成をめぐる各国の構想』勁草書房、2020年、143―169頁では、冷戦後の韓国外交における東アジア秩序構想とその政策的展開を一次資料や政策担当者の回顧録を利用しながら解明した。
This research aims at analyzing the formation and development of the security structure on the Korean peninsula since 1948. Four articles published in 2019 successfully revealed part of the achievement of this research.
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=2019000007-20190121
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)