並列タイトル等ニホン・モーリシャス カンケイシ ノ キソテキ ケンキュウ
Nihon Mōrishasu kankeishi no kisoteki kenkyū
Basic research on Japan-Mauritius relations
一般注記type:text
本研究はモーリシャス共和国と日本の、19世紀前半に溯ることができると考えられる歴史的関係を2つの側面から、実証的に明らかにしようとするものである。
1つは、モーリシャス固有の2大文化資源、モーリシャス発行の切手と、17世紀に絶滅したモーリシャス固有種のドードー鳥の、日本人による学術研究が、それらの観光資源化に大きく影響を与えた側面であり、日本の近現代が他国に如何なる文化的影響を与えたかを考える特異な事例となろう。
もう1つは、両国の人的な交流の足跡を追うことである。「世界の涯(はて)」とも称された世界の最外縁部ともいうべきこの島にまで現れる日本との接点の事例の集合体は、世界の中で日本が如何なる位置を占めてきたかを示す重要な視座を提起すると考えられる。これについては、①最初の日本人訪問者の特定、②日本人売春婦に関する文献資料探索と墓所の特定、③鮪鰹漁基地を置いた海外漁業株式会社の文献資料の発掘と関係者の聞き取りの実施、④モーリシャス在住日本人のコミュニティーの核になったモーリシャス人(戦時中日本在住だったインド人の遺族で、戦後移住)に関連する個人資料の目録化と関係者の聞き取り調査の実施という、4つの具体的な課題を設定している。
これらの調査結果を核として日モ関係史を時系列にたどり、その意義を考察することを目指している。
本年度は、主としてモーリシャスでの文献調査、聞き取り調査、フィールドワークと、これまでの調査成果の現地での中間報告や意見交換を予定していたが、それがキャンセルになってしまった。そこで、日本国内でのモーリシャス関係者の聞き取りや文献収集を中心に調査を進めると共に、中間報告原稿の英訳等を行った。また既に2016年に調査を実施済みのモーリシャス所在の一次資料について、その目録整理を進めた。
今後も国内調査を継続しつつ、現地調査の知見を加えて、論考にまとめていく予定である。
This research aims to review the history of exchanges between Japan and Mauritius, especially on cultural and civilian exchanges in non-political fields.
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=2019000007-20190264
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)