並列タイトル等コノエ イエヒロ オヨビ コノエ イエヒサ ナド コノエケ レキダイ トウシュ オ チュウシン トスル、キンセイキ ドウジョウ カダンシ ノ ケンキュウ
Konoe Iehiro oyobi Konoe Iehisa nado Konoeke rekidai tōshu o chūshin tosuru, kinseiki dōjō kadanshi no kenkyū
Study of the history of the wakas [31-syllable Japanese poems] written by Iehiro and Iehisa Konoe.
一般注記type:text
本年度もほぼ毎月1回、京都市右京区にある公益財団法人陽明文庫ヘ通い、同文庫が所蔵する『家久公御詠草』(近衞家第22代当主近衛家久の自筆和歌詠草類)の調査及び写真撮影を行った。事業計画に則り、平成31年4月から令和2年2月10日現在までの間に詠草類40の資料(202点)、約660首程の和歌を翻刻することができた。定数歌の資料は少なくなったものの、依然1点の資料に記される歌数は多かった。また、本年度調査した詠草類は特に書風の変遷が激しく、年代を特定するのがやや難しいものが多かったのが特徴である。また、これらの詠草類には家久以外の公卿たちの筆蹟も少なからず含まれているため、筆者の断定に慎重さが求められた一方で、家久が主宰していた近衞家歌壇の構成員の一端を明らかにすることが出来たため、非常に有意義な調査が行えたと自負している。昨年度分(4月から翌3月までの間。44の資料〈76点〉)と本年度を合わせた調査数は総詠草数の約2割であるが、近衛家久の家集の出版を念頭にして、今後も調査を継続していきたいと考えている。
一方で、陽明文庫での『家久公御詠草』の調査とは別に、家久の父家凞の書活動について、令和2年2月1日に『日本の書道の歴史に異彩を放つ近衞家凞』と題した講演を行った(杉並郷土史会主催。於杉並区立阿佐谷地域区民センター。当日の参加者はおよそ50名)。与えられた2時間の間に、飛鳥時代から江戸時代までのわが国の書風の変遷について時代毎の政治史や文化史に関連させて述べ、その上で、江戸時代中期に活躍した家凞の書風の特殊性、つまり公用書体として全国的に「御家流」が用いられる社会にあって、平安時代の貴族たちが用いた書風(いわゆる「上代様」)を得意としたことと、そのような書風になった必然性について指摘した。この講演の中で、本年度受けた補助金を以て購入した家凞自筆の書状を参加者の閲覧に供し、理解を深めてもらった。
This research into the Waka[31-syllable Japanese poems] of Iehisa KONOE, who was one of the nobles of the Edo era, held monthly at the YOMEI Library in Kyoto, which is known as KONOE family's library and has preserved about 1083 original documents written by Iehisa. This included taking their photographs and reprinting them.
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