並列タイトル等カイゴ ロボット フキュウ ソクシン ノ タメ ノ シサク : ワカリヤスク, ツカイヤスイ カイゴ ロボット オ メザシテ
Kaigo robotto fukyū sokushin no tame no shisaku : wakariyasuku, tsukaiyasui kaigo robotto o mezashite
一般注記type:text
現在,日本は超成熟社会に直面しており,多くの複雑な社会問題を解決する必要がある。それらの問題の1つは他国と比較しても群を抜いた高齢化率であり,それにより生産年齢人口の減少・高齢人口の増加が問題となる。それに伴った問題は様々存在するが,ここでは労働人口の不足の問題とそれに伴う経済性の低下を考える。
本稿ではその1つの事例として,世界でも類をみない高齢化率のため2025年には約37万人の介護者が不足すると予想される介護分野を取り上げる。この問題を解決するための1つの方策として,厚生労働省・経済産業省はロボット技術の介護利用における重点分野を設定し,介護ロボットによる介護業務の効率改善を試みている。日本の介護ロボットを活用した介護産業が確立されれば,他国にはない新産業の創出も期待できる。しかしながら,現状としては見守りシステム・コミュニケーションロボットを除き,介護ロボットによる業務効率改善は,期待されていたほど進んでいない。その要因の調査のため介護施設へのフィールドワークを行い,以下の3点を課題として取り上げる。
・介護ロボットの効果的な導入方法が不透明
・使いづらい介護ロボットが多い
・一部の介護ロボットは高価格帯
価格の問題は技術が進歩し,一定数の需要が見込める状況であれば解決できると考えられる。残る2つの問題点の解決のためには,介護ロボットの介護業務への効果的な導入方法の可視化・ユーザーフレンドリーな介護ロボットの開発の加速が重要である。本稿ではこれらを達成し,かつ介護産業を日本の軸の産業とするための新たな枠組みを提案する。
具体的には,①評価指標(Care Method based Index)による介護業務の細分化,②介護ロボット使用手引きマークの導入,③介護ロボットのユーザビリティに関する国際標準化の設計を提案する。提言1.1で介護方法に基づき介護業務フローの細分化し,提言1.2でその細分化された介護業務に対応する使用手引きマークの導入により効果的な使用方法の明確化が期待される。提言2では介護ロボットのユーザビリティに関する国際標準化を行うことで,ユーザーフレンドリーなロボットの開発・世界展開の促進が期待される。本提言は厚生労働省老健局,経済産業省製造産業局,日本医療研究開発機構,テクノエイドに対して行う。
*ユーザビリティ指標: 使いやすさに関する指標
政策提言書06
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=KO12005001-00002019-0101
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)