並列タイトル等デジタル アーカイブ セイビ オ モクテキ トシタ ガクゲイイン キョウイク カテイ ノ カクジュウ ニ カンスル テイアン
Dejitaru ākaibu seibi o mokuteki toshita gakugeiin kyōiku katei no kakujū ni kansuru teian
一般注記type:text
本提言は日本における文化資源デジタルアーカイブ作成を促進することにより、文化資源の活用を促し、豊かな社会基盤の創出に資することを目指すものである。文化資源は美術作品や仏像等の有形のものから祭りや伝統技能といった無形のものまで多数存在している。これらの文化資源は独自性が高く、移動させることが困難であるため、資源として存在しているだけではその情報が広がりづらいという性質を持つ。そのため、文化資源へのアクセシビリティを高めるためにデジタルアーカイブを整備することは重要な課題であるといえる。デジタルアーカイブを整備することによってこれらの文化資源を観光や教育など幅広い分野で「文化資産」として活用できる可能性が高まると考えられる。
ヒアリングや先行研究の調査を通じて、デジタルアーカイブの整備を妨げる要因として、デジタルアーカイブに関する人材の不足や予算の不足、またデジタルアーカイブを活用する方法や目的の不明確さという課題があることが明らかになった。
本稿では第一に、従来の学芸員の課程に加えて追加の授業および実習を履修することにより「上級学芸員」としてデジタル化に関する専門知識を持った人材を育てることを提言する。現在学芸員資格は年間約10000人取得している。この学芸員資格取得のためには博物館法で定められた9科目19単位を履修する必要があるが、現在必修となっている科目では著作権などを含めたデジタル化の方法やその活用に関する実習などはおこなわれていない。上級学芸員は、必須の単位に加えて資料のデジタル化やその活用方法に関する授業や実習を履修した人材に付加される資格を想定している。博物館はこの資格を取得した人材をデジタル化に関する専門知識を有する学芸員として採用することができる。また、デジタルコンテンツにかかわる専門知識を持つ学芸員は、博物館・美術館の中のみならず、デジタルコンテンツを扱う企業等幅広く社会で活用されることが考えられる。
第二に、大学と連携した人材確保・活用システムについて提言する。大学は学芸員課程の学生を対象としてデジタルアーカイブを構築、運用することのできる人材を育成し、美術館や博物館にインターンシップとして送り出す。博物館は必要な人材数をはじめとするアーカイブ作成プランをつくり、資料のデジタルアーカイブ化を促進する。このことにより、多くの人材によってデジタルデータやメタデータを作成することが可能となる。
提言先:文化庁、文部科学省
政策提言書01
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=KO12005001-00002018-0002
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)