並列タイトル等メンタル ヘルス・レコード システム ノ テイアン ト パワー ハラスメント コウイシャ ノ コウドウ ヘンヨウ ソクシン
Mentaru herusu rekōdo shisutemu no teian to pawā harasumento kōisha no kōdō hen'yō sokushin
一般注記type:text
提言の目的
本提言では、労働者が健康な状態で労働に取り組み、意欲と能力を最大限発揮できる社会システムの構築を実現するため、労働者の「幸せに働きたい」という気持ちを叶え続けられる社会の実現というビジョンのもと、職場におけるメンタルヘルスの向上、およびハラスメント行為の防止・抑制に関する施策を提案する。
提言内容と実現方法
I. 技術面から:労働者のメンタルヘルス課題に対して
労働者の心身の健康状態把握のため客観的・定量的な評価の実施を提案する。
1. 生体信号による労働者の心身の健康状態の把握を、事業者の努力義務として労働安全衛生法内に記載することを目指す
労働者に対して従来のストレスチェック、メンタルヘルスチェックを実施することに加え、生体信号による心身の健康状態を把握することを事業者の努力義務として労働法内に記載する。
2. 「メンタルヘルス・レコードシステム」実装研究活動推進のための研究費割り当て
システム案として「メンタルヘルス・レコードシステム」を提案し、本システムの構築や段階的実装を行うことに代表されるような、疾患を持たない人の心身の健康を維持・管理、社会科学と工学・医療分野をまたぐ学際的な領域について、厚生労働科学研究費の統合プロジェクトのひとつとすることを提言する。
II. 制度面から:職場におけるハラスメント課題に対して
職場におけるハラスメント対策のため、行為者の行動変容の推進を提案する。
1. ハラスメント行為者の行動変容に関する取り組みを行うことを事業主の責務としてガイドラインに追記する
令和2年4月に厚生労働省により発出された「職場のパワーハラスメント防止のための指針」にハラスメント行為者自身が希望する場合には、ハラスメント行為者研修プログラムの受講機会を与えられる等、行為者の行動変容に関する取り組みを行うことを追記する。
2. ハラスメント行為者研修プログラムを運営する団体を「認証制」にする
ハラスメント行為者研修プログラムを運営する団体はすでに複数存在するが、各プログラムの水準を担保し、希望者のアクセスと利用を促進するために「認証制」とする。具体的には、行為者研修プログラムの内容検討や進捗管理のために、産業医・心理士を配置することを条件とすることを提案する。
3. ハラスメント行為者の行動変容に関する取り組みに協力的な中小企業へ税制優遇措置や、ハラスメント行為者研修プログラム利用助成金制度を導入する
協力的な体制を整えた企業に対して税制面での優遇措置や、助成金制度を導入する。
提言先:厚生労働省
2022年度発表者 政策提言書02
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=KO12005001-00002022-0045
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)