並列タイトル等ソウゾクホウ ダイカイセイ ノ ケンショウ : チョウコウレイ シャカイ ニ オケル リッポウ ト ソノ アリカタ
Sōzokuhō daikaisei no kenshō : chōkōrei shakai ni okeru rippō to sono arikata
Evaluation of the revision of the civil code : how laws should be in the super-aging society
一般注記type:text
本研究は、2018年に行われた相続法の大改正について、立法事実の欠如、拙速な立法等の批判があることをふまえて、改正内容及びその過程を検証し、その正当性及び妥当性を考察することを目的とした。相続法改正の内容は多岐にわたるため、新設された制度のほか、その大部分が改められた制度を主な対象とした。
本研究では、これらの改正について、立法経緯、従来の学説状況、法改正の内容、審議過程に見られる特徴、改正内容に関する疑義・問題点、立法の予想される影響等を分析・検討した上で、論考にまとめるととともに、他大学の研究会に招かれて発表した(「3.本研究課題に関する発表」参照)。特に、立法改正の直接の契機が婚外子相続分差別違憲決定(最大決平成25年9月4日民集67巻6号1320頁)にあり、配偶者の保護の拡大が最大の立法課題であったことから、配偶者居住権、配偶者居住権、配偶者への贈与の持戻し免除推定、特別寄与料制度等、配偶者の権利の拡大に関する新設制度の研究に重点を置き、配偶者相続権との歴史的・比較法的連関等も検討しつつ、どの程度、実効性がある制度なのか検証した。いずれについても、法律婚以外のカップル(事実婚、同性カップル等)が対象者に含まれず、さらに、事実上、不動産所有者のみしか利用可能ではない点等、2018年相続法改正においても、伝統的な一定の家族モデルが前提とされており、様々な意味で限界が見られることを明らかにした。あわせて、今後、運用が進む中で生じると思われる解釈上の問題点についても、180度転換ともいえる改正がなされた遺留分制度を中心に、可能な限り予想し、論考において、客観的立場から一定の解釈方法を示した。
以上のように、研究成果を順次とりまとめ、論文の形で公表することはできたものの、コロナウイルス感染症拡大のために学会等が中止となり、大規模な研究集会での発表は見送らざるを得なくなった。
The purpose of this study is to review the Revision of the Civil Code 2018. This study mainly explored new systems, for instance, the right of residence for spouse, the right of monetary claim for non-heir caregivers, and the preferential treatment for spouse who was given home by other spouse. The study evaluated that the revision would not effective for various family.
一次資料へのリンクURLhttps://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=2020000008-20200123
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