並列タイトル等ジョルジュ・バタイユ ノ ブンガクロン ノ シソウシテキ イギ ト ゲンダイテキ シャテイ
Joruju Bataiyu no bungakuron no shisōshiteki igi to gendaiteki shatei
The historical significance of Georges Bataille's theory of literature and its contemporary importance
一般注記type:text
本研究の内容は、ジョルジュ・バタイユと、モーリス・ブランショならびにジャン=リュック・ナンシーという、思想的連関がしばしば強調されながらも、個々のスケールの巨大さゆえに、その具体的検証がいまだ途上にある思想家たちの文学をめぐる思索を比較対照し、その交差と相違を浮かび上がらせることである。二年計画の二年目である2020年度は、前年度に目処をつけた、ブランショ『『ジュルナル・デ・デバ』誌の文学時評 1941.4 - 1944.8』の翻訳について、複数の共訳者と訳稿の読み合わせを重ね、自他の訳文の精錬と註の充実に注力した。本訳書は、2021年中の刊行に向けて、詰めの作業が進められている。この仕事と並行しながら、前年度の研究成果を引き継いで、バタイユ『文学と悪』(1957年)のカフカ論における、ブランショ「カフカを読むこと」(1945年)「文学と死への権利」(1947-48年)からの本質的影響をより深く検討する作業を行うとともに、これら二人の思想家の「文学」「書くこと」「読むこと」といった主題を、ナンシーの文学理解を介して捉え直す試みを実施した。この成果は、2017年にナンシーを慶應義塾大学に招いて開催された国際シンポジウム「神話・共同体・虚構ーージョルジュ・バタイユからジャン=リュック・ナンシーへ」における拙発表を発展させるかたちで、2020年度内に論文として公刊された。同論文にはナンシーによるコメントの日本語訳も付されており、現在時のナンシー思想の開示という観点からも少なからず意義を持つものと考えている。Covid-19の世界的蔓延による渡航制限のために、フランスでの資料収集・資料調査を断念せざるを得なかったことが遺憾だが、こうした状況下において、有益な研究進捗ができたものと判断している。
I have refined the translation of Maurice Blanchot's "Chroniques littéraires du 'Journal des débats' Avril 1941 - Août 1944" through readings with co-translators. I have published a paper on Bataille's theory of literature and Jean-Luc Nancy's comments on this paper.
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