並列タイトル等コウシツ テンパン ノ カイセイ ト コウイ ケイショウ モンダイ オ メグル セイカン カンケイ : ノダ ナイカク オ チュウシン トシテ
Kōshitsu tenpan no kaisei to kōi keishō mondai o meguru seikan kankei : Noda naikaku o chūshin toshite
A study on the amendment of the Imperial House Law and un aspect of succession controversy during the Noda Democratic Cabinet
一般注記type:text
2006年に小泉純一郎内閣による皇室典範の改正が頓挫して以降、皇位継承問題は棚上げされてきたが、ようやく2011年に民主党政権の野田佳彦内閣によって再び議論の俎上に上がることになった。ご高齢となった平成の天皇の健康問題が二度の大手術により懸念されるなか、ご高齢の皇族男子の薨去や若い皇族女子の婚姻に伴う皇籍離脱により、皇族の減少が大きな問題となってきた。皇族の減少によって、公務など皇室の活動を維持することが困難となり、皇位継承の不安定化がより一層懸念されるようになった。
そこで宮内庁は2011年10月、こうした皇族の減少に伴う懸案を「火急の案件」として野田内閣に申し入れた。当時の羽毛田信吾宮内庁長官が野田首相に伝えた懸案事項は皇室の活動に支障をきたすことであったが、一部のメディアが「女性宮家の創設」により政府があたかも「皇位継承問題を視野に」入れていると報じたことから、保守陣営を中心に政府は皇位継承資格の女系拡大をめざしているとして、俄かに反対運動が展開されることになったのである。
本研究はこうした皇族の減少に伴う野田内閣の動きを中心に、とりわけ同案件をめぐる政官関係を明らかにするため、同内閣の正副官房長官やこれを取材した全国紙の政治部、社会部の官邸キャップと編集委員らに対してインタビュー調査を行なった。
その結果明らかになったのは、自民党政権と大きく異なり、民主党政権には大きなイデオロギー対立がなく、リベラルな労働組合を中心に利益集団にも、男系維持といった伝統的価値観に縛られることもなかった。むしろ自民党との対立軸を明確にするうえで、皇位継承権の女性・女系への拡大に前向きであった。民主党政権は野田内閣の頃には脱官僚依存の色彩も払拭され、従来型の政官関係に復すとともに、皇室典範を所管する内閣官房と皇室のお世話役である宮内庁の関係も良好で、内閣総務官室に同室スタッフと宮内庁幹部が入り、政と官の連携も比較的緊密であったことが明らかになった。
The Yoshihiko Noda Cabinet started the discussion of amendment of the Imperial House Law again in 2011 after the frustration of such a trial of the succession controversy by the Junichiro Koizumi Cabinet.
The elderly emperor had a health problem and many public duties. It is so difficult to arrange his schedule for people's hope and mind.
Elderly and younger imperial families have gone out of the imperial house. As a result imperial families have been declining.
So the Imperial Household Agency reported the Noda Cabinet as an urgent matter on October 2011. I think it very important to interview high government officials regarding to this matter. And I conducted research on the information on such actors many kind of medias had gathered.
I consider that the Democratic Party had no idealistic conflict on this amendment of the Imperial House Law and the government was able to treat the important problem regarding to urgent matters with the Imperial Household Agency.
The Noda Cabinet and the government conducted the mission under the strong leadership of Prime Minister Noda.
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