並列タイトル等ジンコウ チノウ オ モチイタ CSP-CFP カンケイ ブンセキ
Jinkō chinō o mochiita CSP-CFP kankei bunseki
CSP-CFP analysis by using artificial neural networks
一般注記type:text
CSP-CFP関係に関して、統一的な結論は得られていないものの、近年ではプラスの関係を論ずる報告が増えている。しかし、長い間にはいろいろな要因が媒介・調節変数として登場し、その関係も単純な線形では表せない複雑なものであることも分かってきた。
本研究では1995年に集めた252社のサンプルを使用し、その5年後、10年後、20年後、25年後の財務業績の変化を追跡調査を行なった。比率分析の結果、プラスの関係はある程度確認できたが、20年後までの分析と異なり25年後の分析では統計的有意性がほとんど確認できなくなった。
上場廃止、合併、倒産等でサンプル数が減少し、25年後では78社減り、サンプル数は174社であった。それを比率の差の検定においては、上位下位1/3(つまり全体の2/3)のサンプルを使用して検定するので、サンプル数の減少の影響はさらに大きくなっている。統計学を用い、有意水準5%での検定という同じ基準を用いているとはいえ、やはり自由度の減少、つまりサンプル数の減少の影響度は大きいと言わざるを得ない。そこで本研究では従来の統計学ではなく、人工知能を用いたニューラルネットワーク分析も併用して分析を試みた。筆者が2007年に行なった3層構造のニューラルネットワークは深層学習になっておらず、いわば浅い学習であったが、近年のディープラーニング、つまり深い学習を用いてCSP-CFP関係を分析することにより、25年後においても、自らの社会性(CSP)が自らの将来の経済性(CFP)に対して、2割程度のプラスの効果を持つことが確認された。企業評価基準に経済性(CFP: 短期的な収益性+中長期的な成長性)のみならず、社会性(CSP: 超長期的な社会性)を加える意義は大きいと言える。
In this study, we examine the CSP-CFP relationship of Japanese firms using ultra-long-term data spanning 25 years. In order to analyze the nonlinear relationship, we attempt to apply an artificial intelligence analysis called neural network, especially deep learning, which has been attracting attention in recent years, to confirm that there is a positive relationship in the CSP-CFP relationship.
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