並列タイトル等ケンイ シュギ タイセイカ ニ オケル カンコウ セイサク
Ken'i shugi taiseika ni okeru kankō seisaku
Tourism policy under authoritarian regimes
一般注記type:text
本研究は、権威主義体制下における観光政策の特徴を明らかにすることを目的とするものである。研究代表者は、これまで北朝鮮のインバウンド政策について単著『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版、2019 年)を出版したが、本研究では研究対象を広げて権威主義体制下における観光政策について検証している。
北朝鮮のみならず、ソ連やアルバニアなど冷戦期の社会主義国をはじめとして、いくつかの権威主義体制下では外国人観光客を受け入れながらも自由旅行を許容していなかった。その事実をガイドブックや旅行記の記述などから明らかにして、そこに何らかの共通点を見出せるかなど横断的な検証を開始するとともに、コンテンツツーリズムや聖地巡礼などの概念適用可能性も探っている。
複数年度にわたって研究を進めることにより、「観光学」に新たな視座を提供するとともに権威主義体制研究の一端ともなりうるものと考える。
第二年度となる本年度は、第一に、各国のインバウンド政策についての先行研究の精査を継続した。
第二に、各国のインバウンド政策の中でも日本人観光客をいかに受け入れてきたかに着目して、日本交通公社が 1952 年から版を重ねてきた『外国旅行案内』をはじめとしたガイドブックの記述の変遷を整理した。日本交通公社が運営している「旅の図書館」所蔵資料も活用させていただいた。
研究成果の一部として、第37回慶應義塾大学東アジア研究所学術大会で発表したほか、第26回日本国際観光学会全国大会にて発表予定であったが、開催直前に新型感染症に罹患してしまったため口頭発表を断念し、次年度に延期せざるを得なかった。
The purpose of this study is to clarify the characteristics of tourism policy under authoritarian regimes. By advancing research over multiple years, this study has provided a new perspective on "tourism studies."
This study scrutinized previous research on inbound policies in authoritarian regemes. In particular, I researched on the Soviet Union, China and Vietnam's inbound policies during the Cold War era.
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)