並列タイトル等A Demonstrative Study on the Characteristics of Qing Legal System through Considering the Mitigatory Provisions in Qing Criminal Code
タイトル（掲載誌）平成19(2007)年度科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2007 Fiscal Year Final Research Report
一般注記本研究課題は、儒教思想に由来する清律の刑罰減免制度を考察対象に取り上げ、主として清代の刑案(判例)史料を用いた実証的研究を通じて、当時の法実務家官僚達が、儒教的な「衿恤の意」を実現しようとする法の理念と、社会の治安維持という現実の要請との間で、如何にして折り合いをつけていたかを解明し、その対応の時代的変遷のパターンを他の王朝のそれと比較検討することによって、清朝法制度の特質の一端を明らかにすることを目的としている。 本研究では、主として「誤殺」と「自首」を対象に選び、条例や判例によって制度の変遷過程について考察を行った。その結果、「誤殺」については、特に親族関係の存在を認識できずに犯行に及んだ「犯時不知」の場合において、親族関係の錯誤に関して広く刑の軽減を認めていた清朝初期の状況が、乾隆朝を境として次第に刑の軽減範囲が狭められ、嘉慶24年以降には極めて限定的な場面においてのみしか減刑が認められなくなって行ったことが明らかとなった。また「自首」に関しても、主として強盗犯の自首において、それ以前は強盗犯の自首についても広:く減免が行われていたものが、次第に自首が認められなくなる、あるいは認められたとしても刑の軽減の度合いが低下する等、やはり同様に乾隆朝辺りを境として犯人にとって不利益な方向での変更が行われていたことが明らかとなった。これはかつて「留養」制度に関して筆者が明らかにしたのと同様のパターンであり、この乾隆朝を境とした厳罰化というのが清朝の法制度上の特質として浮かび上がってきた。
The purpose of this research is to show the characteristics of Qing (清) legal system through considering the provisions on mitigation of penalties that originated in Confucianism thought, i. e. that of “homicide by mischance (誤殺) "and“surrender (自首) ". The result of the research was that, as for “homicide by mischance", the cases in which the penalties of the offenders were mitigated were gradually restricted after Qian long (乾隆) times, and as for “surrender", especially in case of robbery, it was also restricted as time passed. I have already found the same patterns in liu yang (留養) system, or the system of reprieve / commutation for the sake of making criminals support their aged or handicapped parents. Generally speaking, in Qing Chine the tendency to restrict the application of provisions which were favorable for the offenders was shown after Qian long times. This might be useful for clarifying the characteristics of Ong legal system.
研究課題/領域番号:17530007, 研究期間(年度):2005–2007
出典：「清律の刑罰減免制度より見た清代法制度の特質に関する実証的研究」研究成果報告書 課題番号17530007 (KAKEN：科学研究費助成事業データベース（国立情報学研究所）) 本文データは著者版報告書より作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=60237427
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17530007/
https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-17530007/175300072007kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース（IRDB）（機関リポジトリ）