タイトル(掲載誌)平成18(2006)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2006 Research Project Summary
一般注記金沢大学がん進展制御研究所
本研究では、機能的に正常皮膚に近い3次元培養"有色"皮膚を作成し、潰瘍や熱傷後の皮膚欠損の治療に利用することを目標として研究を開始した。抜去毛に付着する細胞集団を用いて、皮膚を3次元構築し再生医療に用いることが現実的に可能であるのかどうかを検討した。マウスでは、約30本ほどに一本ほどの割合で抜去毛に色素幹細胞様の細胞(Dct-lacZトランスジェニックマウスの皮膚毛包内においてX-gal染色陽性の細胞)の付着が少数ながらみられた。このことからも、色素幹細胞周囲に位置する毛包バルジ領域の角化細胞も付着していると考えられた。しかしながら、ヒト頭髪、腋毛などの硬毛に付着する外毛根鞘細胞を調べたところ、毛包内バルジ領域の毛包上皮幹細胞に特異的に発現するサイトケラチン15陽性細胞は、殆ど認められなかった。次に、ヒトの抜去毛に付着する細胞を角化細胞の培養液やフィーダーを用いて試験管内で増やすことを試みた。抜去毛由来の外毛根鞘角化細胞と色素細胞は、ともにin vitroでの増殖は遅く、現在の培養技術では3次元培養皮膚を作製するのに十分な量を得るのは困難であると考えられた。ヒトの抜去毛においては、再生能力の高い角化細胞がほとんど付着していないことが原因として考えられた。
研究課題/領域番号:18659316, 研究期間(年度):2006
出典:「抜去毛に付着する色素幹細胞および毛包上皮幹細胞に着目した有色皮膚再生技術の開発」研究成果報告書 課題番号18659316(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18659316/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=54126&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://nrid.nii.ac.jp/ja/search/?kw=70396331
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18659316/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)