タイトル(掲載誌)平成26(2014)年度 科学研究費補助金 奨励研究 研究概要 = 2014 Research Project Summary
一般注記金沢大学工研究域
1. 研究目的結び目経路を形成した割型に, 紐を挿入して結び目を得る方法を用いた結索技術の開発を, 2010年から行っている. これまで結索対象は紐やロープが主であったが, 本研究においては結索対象を食品(麺, 蒟蒻, パスタ)として結索技術及び装置の開発を行った.2. 研究方法1)紐やロープの場合, 長さの自由度は非常に大きいが, 食品の場合は最大でも数十センチと小さい. このため割型に形成する経路の長さを極力短くした, 「玉結び」経路を持つ割型の設計製作を行った.2)製作した割型への紐導入実験の後, この割型を搭載した自動結索装置の設計製作を行った. 装置においては, 装置の駆動・制御をエアーシリンダー・PLCで行い, 大気中及び水中での結索を可能とし, 水中での吸引はイジェクター及びギヤポンプで行う設計とした. また光センサーを登載し, 結び目位置の制御を可能とした.3)麺, 蒟蒻, パスタ等12品目の食品を用いて, 大気中及び水中における結索実験を行った. 実験での採取データは以下の通り.・大気中及び水中における装置の動作状態と, 割型への食品導入状態の動画データ.・各食品の断面形状測定データ.・各食品における結び目締め込み状態の動画データ及び, センサー位置と結び目位置測定データ.・水中における吸引をイジェクター, ギヤポンプで行った場合の結び目形成時の動画データ.3. 研究成果製作装置の動作は良好であり, 結索条件の調整により殆どの食品が結索可能であった. 結び目位置の制御においては, 光センサー位置を変更することで制御可能であることが確認された. 水中結索では, ギヤポンプの吸引力が高すぎることと, 制御レスポンスが悪いこととで, 食品を破断させてしまう場合が見られた. また, 食品の弾性が高いため, 結束後紐の固定を解除すると, 結び目が解けてしまう場合があった. ギヤポンプの制御方法や締め込み方法の改善が課題といえる. 今後は課題の改善を行い装置の実用化を目指す.
研究課題/領域番号:26917008, 研究期間(年度):2014-04-01 – 2015-03-31
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-26917008/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)