タイトル(掲載誌)平成24(2012)年度 科学研究費補助金 奨励研究 研究成果報告書 = 2012 Research Project Summary
一般注記金沢大学附属病院
裂孔原性網膜剥離における強膜バックリング手術による眼血流、特に脈絡膜血流への影響が多数報告されている。術後早期から脈絡膜血流が徐々に低下し、術前のレベルまで復帰しないとする報告や、術後3ヶ月までに術前と同レベルへ復帰するとする報告など様々である。これまで脈絡膜の形態的変化を捉えることは困難であったが、近年光干渉断層計(Optical Coherence Tomography, OCT)を用いることにより種々の脈絡膜疾患における脈絡膜の形態的変化を捉えることが可能となった。そこで我々は、裂孔原性網膜剥離における強膜バックリング手術前後の中心脈絡膜厚変化を調べ、術前値に対する術後脈絡膜厚比を調べた。そして術前脈絡膜厚と比較して、術後1週では有意に増加し術後1ヶ月、3ヶ月では術前と同等であることを第65回日本臨床眼科学会、American Journal of Ophthalmologyで報告した。また、我々のこれまでの研究では全例で強膜バックリングおよび冷凍凝固を行っている。裂孔原性網膜剥離における強膜バックリング手術で、凝固手段として術中の冷凍凝固施行群と術後1ヶ月での光凝固施行群での無作為試験の報告では、網膜復位率は同等でありながら冷凍凝固群で有意に術後炎症の増加を認めている。そこで中心脈絡膜厚増加に対する冷凍凝固の影響を排除するために、術中に冷凍凝固を施行せず術前後に同様の検査を行うことにより、バックリング手術自体の脈絡膜循環への影響を検討した。凝固手段としては術後光凝固を施行した。術中に冷凍凝固を施行しなかった場合でも、術前脈絡膜厚と比較して、術後1週では有意に増加し術後1ヶ月、3ヶ月では術前と同等であることを第36回日本眼科手術学会総会で報告した。
研究課題/領域番号:24931045, 研究期間(年度):2012
出典:研究課題「裂孔原性網膜剥離における強膜バックリング手術後の脈絡膜厚の変化に関する研究」課題番号24931045(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24931045/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=54421&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24931045/
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