タイトル(掲載誌)平成13(2001)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究概要 = 2001 Research Project Summary
一般注記金沢大学医学部附属病院
1,性ステロイドがテロメレース活性におよぼす影響に関して我々は1999年12月にエストロゲンがテロメレースの活性決定因子であるhTERT(human telomerase reverse transcriptase)の転写を活性化することを報告した。これに引き続いてプロゲステロンがhTERT転写に与える影響について検討した。その結果、プロゲステロンは24時間以内の短時間ではMAP kinase cascadeを介してhTERTの転写を活性化し、長時間ではP21の活性化を介してhTERT転写を抑制することを明らかにした。以前に我々は子宮内膜のテロメレース活性が月経周期の増殖期で高く、分泌期になると低下することを報告したが、性ステロイドによるhTERT発現の制御はこの変化を明快に説明するものである。2,2-5A antisense oligonucleotide systemを用いたテロメレース抑制に関して種々の子宮頚癌細胞株および正常細胞、およびテロメレース陰性の不死化細胞株に対してテロメレースのRNA鋳型コンポーネントであるhTRの2-5A付加antisense oligonucleotideを加えることでテロメレース活性を抑制したところ、テロメレース陽性の細胞でのみ細胞増殖が抑えられ、アポトーシスが観察された。これによって、このシステムが癌の遺伝子治療に有効である可能性が示唆された。3,ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤によるhTERT転写活性化に関してテロメレース陰性の正常細胞にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を加えるとhTERTが転写活性化されたが、この作用はhTERTプロモーター上のSp1 siteが重要な働きを担っており、正常細胞におけるhTERT転写抑制にはヒストン脱アセチル化酵素が働いていることを示した。
研究課題/領域番号:12671585, 研究期間(年度):2000 – 2001
出典:「生殖臓器におけるテロメレースの機能および活性化メカニズムに関する研究」研究成果報告書 課題番号12671585(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12671585/)を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=20313661
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12671585/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)